日刊木材新聞 16年9月




シリーズ「市場と流通」(8)木造軸組プレカット中部・西日本編
情報システム導入し発展,機械プレカットの進化
流通加工のモデル追及
  写真 前回に続いてシリーズ「市場と流通」では木造軸組プレカットを取り上げた。機械加工能力は目覚しいライン開発で進化を続けるが、問題となっているのはCAD入力者の部分。木造軸組工法住宅の要とも言える「CAD入力」の海外移転が進んでいる。インターネット環境の整備がこうした入力業務など人件費のかかる部分での海外移転を推し進めており、すでに中国、インドネシア、ベトナムなどの国で日本の木造軸組工法住宅のCAD入力が行われている。「入力コストは日本の10分の1」という関係者もいるが、現在は入力者不足から作業コストは削減できてもその分は先行者利益を享受できている部分かもしれない。他の関係者は、「日本と作業分担で行っており、コスト的には大きなメリットはない」とも言う。住宅会社の意匠設計者が構造的な配慮をした設計ができるようになることや、合理的な柱ー梁の配置、梁せいの決定、梁長さの決定などが、木造住宅の生産性に大きくかかわっていることを理解し、効率的な設計が広く行われれば木造住宅の競争力を高めていくことにもつながるはずとCAD入力の問題点についても解説。企業編では中部・西日本の大手プレカット業者の動向も取材。月産5000坪以上の加工能力を持つ60社・グループの一覧も掲載した。(詳細は日刊木材新聞16年9月22日3,4,5,6,7,8,9面と9月23日4,5,6,7面で)


熊本県、森林環境税を導入へ
潮谷知事が方針示す
   熊本県の潮谷義子知事は17日、定例県議会で森林の多面的機能維持に役立てる森林環境税を来年4月から導入する方針を明らかにした。県民税に上乗せする形として個人、法人に一律年額500円を課税する方向で検討しており、来年2月の議会提出に向けて準備を進めている。(詳細は日刊木材新聞16年9月25日付1面で)


北米製材市況が急落
SPFは20%近い下げ率
   高値を続けていた北米製材市況が全面下げした。米国西岸産米松2×4(グリン、スタンダード&ベター)は8月上旬の直近ピーク値と比較し、約26%の下落となった。カナダ西部内陸産SPF製材も大幅下げ。産地関係者は引き続き製材需要は堅調で、下げ局面は短期収束づるとの見通しだが、今後の市況次第で日本向けの新規価格交渉に影響がでることもある。(詳細は日刊木材新聞16年9月25日付1面で)


オオコーチ、製材部門でCOC認証取得
FSC材指定に対応
   オオコーチ(三重県松阪市、黄瀬稔社長)は、自社の国産材製材事業において、FSC認証木材を扱う加工業者の管理認証(COC認証)を今年度中に取得することを明らかにした。今後、県や市で進められている地産地消運動や「顔の見える家づくり」事業などに積極的にかかわっていく方針。同社では公共工事などでFSC材の使用指定が増加してくると判断。FSCラベリング材の供給体制の整備が進んできたこともあり、COC認証の取得を決めた。(詳しくは日刊木材新聞16年9月23日付け1面)


木材自給率が微増、国産材合板など牽引
平成15年木材需給
   林野庁は平成15年(1〜12月)の木材需給量を丸太換算した数量を発表。製材や合板、パルプ・チップなどに用いられる用材は、前年比1.1%減の8718万4000立方bと減少。パルプ・チップ材が解体材や廃材利用の増加に伴って伸び悩んだことと、合板用材の輸入量落ち込みが主な減少要因。製材用材は集成材に押され同0.3%の微減、構造用集成材などのその他用材は同7.9%増と明暗を分けた。用材の国内生産は、国産材合板などで丸太需要が増加し、同0.5%増の1614万8000m3。一方の輸入は、同1.4%減の7103万6000m3。輸入は木材製品が同1.0%の減少にとどまったが、丸太は同3.1%のマイナスと減少幅が目立った。これにより木材(用材)自給率は前年から0.3ポイント上昇し、18.5%へ回復している。(詳しくは日刊木材新聞16年9月23日付け1面)


プレカット工場の大型化が加速
5000坪超で60社、地方圏でも大型化進む
   プレカット工場の大型化が一段と進み、最大手のポラテックは2工場で4万7000坪の加工能力を持つ。同社の二卵性ツインターボと言われるラインは2ライン並列型、複数の加工ユニットを効率的に使用し、多様式自動木拾い装置との組み合わせで25坪/時という生産性を実現した。ほか1ライン月間5000坪の加工が可能なラインは既に一般化しつつあり、工場の大型化に直結している。関東・中京圏だけでなく、地方圏でもプレカット工場の大型化が進行。月間5000坪を超える企業・グループだけで60もあり、2001年に本紙でまとめた月間加工能力上位工場一覧の40工場から大きく拡大している。(詳しくは日刊木材新聞16年9月23日付け7面)


07年1月期、売上高2000億円を計画
パネルの本格導入で工期短縮図る
   東栄住宅の佐々野俊彦社長は、07年1月期に首都圏の戸建て分譲住宅着工の10%、売上高2000億円、経常利益7%以上を目指す方針を明らかにした。05年1月期からパネルエ法(ベンチレーションウォールパネルエ法)を1000棟、来期3000棟とパネル化を本格化、さらにトーアと共同開発したSPSパネルエ法も05年6月以降本格導入し、工期短縮による収益性の向上を図る。(詳しくは日刊木材新聞16年9月22日付け1面)


中国木材、関東工場操業を1年延期
電力供給など許可待ち
   中国木材(広島県呉市、堀川保幸社長)は東日本の拠点として計画を進めていた関東工場(千葉市美浜区新港)の製材工場、乾燥工場の建設延期を発表。来年9月頃の操業予定を製材、乾燥ともに1年先の06年夏操業とすることを決定した。すでに機械や建設、設備関係者に伝え了承を得ている。延期の主な理由は、関東工場を建設している千葉市の市条例や電力供給を受ける東京電力に申請している電力供給開始が15ヵ月かかるため。(詳しくは日刊木材新聞16年9月22日付け1面)


セイホク、創立50周年式典開催
取引先・顧客ら500人出席
  写真:
挨拶する井上会長 セイホク(東京都、井上篤博社長)は17日、都内のホテルにおいて創立50周年記念祝賀会を開催。取引先や顧客、金融機関、セイホクグループ各社、OB関係者ら約500人が出席した。創業者として50周年を迎えた井上博セイホク会長は「昭和29年に東京都足立区宮城町で工場を始め、50年間よくもったと思う。私自身健康で70歳を過ぎてから、昨今は足などが多少不自由になり、今後仕事は若い人に任せていきたい」と述べ、今後の展開としては「私は過去の人間だが、会社は成長しており、75周年、100周年を迎えていくので今後ともよろしく」とあいさつした。(詳しくは日刊木材新聞16年9月22日付け1面)


2004東京国際木工機械展特集
9月22日から25日・東京ビックサイドで
技術と情報との出会い
粉砕機など環境機械も出展
  写真:木工機械展の様子 「2004東京国際木工機械展特集」が東京・有明の東京ビックサイドで開催される。主催は日本木工機械協同組合で林野庁など関係省庁が後援する。会期中は木材加工機械や刃物工具、粉砕機を始めとする環境機械などが出品・実演されるほか、中国、台湾、欧州からも輸入機械が展示される。これまでの展示会と比べると規模は縮小したが、来た人にとって有意義なものとなるように機械展示だけでなく、大学や研究機関にも出展を要請、セミナーも開催される。(詳細は日刊木材新聞16年9月14日付け4,5,6面で)


プレカット加工実績 1位はポラテック
猛追する中国木材、3万坪超の時代に
  表:プレカット加工実績ランキング  本紙が実施したプレカット工場の04年7月の加工実績調査で、1位はポラテック、2位中国木材、3位ハイビックなどの結果が明らかになった。最大手のポラテックは9月には3万8000坪の加工を見込むなど新工場で加工能力は4万7000坪に拡大したが、既にキャパに近づきつつある。中国木材も9月に伊万里工場が稼動を始め4工場体制で3万4000坪の加工能力になる。1万坪以上のプレカット会社・グループも22にのぼる。(詳細は日刊木材新聞16年9月18日付1面で)


ウッドワン、中国向けのフォローリング工場が稼動
複合床で高級品市場へ
  写真:ウッドワンの式典 ウッドワン(広島県、中本祐昌社長)は16日、中国・上海の現地法人 沃達王木業有限公司のフローリング工場稼動を祝う式典を現地で行った。同社は成長を続ける中国市場向けのフローリング製造を目的に設立され、式典には協力会や日本国内の関係者、中国政府の要人、業界関係者、従業員など約300名が参加した。(詳細は日刊木材新聞16年9月18日付1面で)


杉LVBを使用した断熱型枠パネル開発
大三商行と杉本建設
  写真:建築中の町営住宅での施行例 杉LVLの生産を行っている大三商行サンテック事業部(宮崎県、古田哲也事業部長)は、地元のゼネコンの杉本建設(宮崎県、杉本章社長)と共同で杉LVBを使った内装兼用のコンクリート型枠パネルを開発した。断熱材と一体で脱枠の必要がなく、工期短縮、トータルコストの削減が可能。杉本建設では自社物件のRC建築で採用を始め、年内にも外販を行うための共同出資会社を設立する。(詳細は日刊木材新聞16年9月18日付8面で)


安宅建材、井桁藤で新会社
鍋島商店の商権継承
   安宅建材(東京都、吉竹勝利社長)は15日、子会社の建材問屋活芟藤(名古屋市、吉田忠社長)と折半出資で建材販売会社を設立、営業を開始したことを表明。新会社は鞄逑建材(福岡県)で資本金1000万円でさる8月3日設立された。社長には下川重介氏が就任。同所を本社とする地元の建材卸会社鞄逑商店の営業権と従業員(10人)を引き継いだ。新会社の初年度目標は年間7億2000万円。(詳細は日刊木材新聞16年9月17日付1面で)


SPF2×4製材、第4・4半期、据置き決着
長さ明細で要望通りにくい
   2×4住宅用SPF製材(ディメンション、スタッド)の第4・4半期(10〜12月)日本向け価格は、ほぼ据置きで決着し始めた。北米製材市況高騰による日本向け輸出価格への影響が注目されたが、2×4コンポーネント各社の産地高に対する抵抗が強く、日本向け輸出価格の一段高を断念した模様。ただ、Jグレード価格の相対的な居所安に対する不満は産地側に共通しており、サイズや長さ明細で日本側の要望が通りにくくなっている。(詳細は日刊木材新聞16年9月17日付1面で)


製材部門を富士工場に生産集約
本社機能は静岡市に残す―影山木材―
   影山木材(静岡県、影山秀樹社長)が製材部門を静岡県富士市の富士工場に生産集約した。本社部門は本社機能だけを残し、桧6メートル柱角ほかを生産していた本社工場を閉鎖。本社部門は開発事業部、プレカット事業部、山林部、そして総務・経理の各部署を残した。富士工場では、原木消費月間1200立方メートル(桧80%、杉20%)。また、自社林と山林部を持ち、育林、伐採、搬出などの各事業も展開する。(詳細は日刊木材新聞16年9月17日付8面で)


建材のIT受発注システムビジネス参入
三井住商、三菱などで新会社
   三井住商建材、三菱商事、日本ユニシスは15日、IT(情報技術)による建材の受発注システムを提供する事業に乗り出すことを明らかにした。共同で新会社(スマイル・コミュニケーションズ、東京都)も設立。メーカーと資材販売業者やユーザーらが個々に商品の受発注や各種のデータ照会を行っているが、共有サーバーを利用することで確かな資材情報が得られるほか、メーカー独自で展開している端末機を利用した専用受発注システムの開発費よりも低コストとなることが魅力という。(詳しくは日刊木材新聞16年9月16日付け1面)


新工場建設資金2億円を私募債で(協和木材)
全額みずほ銀が引受け
   杉乾燥柱角製材大手の協和木材(福島県、佐川広興社長)は、10億円を投資して新工場を建設、年間原木消費量を15万m3に引き上げる。同社はこの新工場建設費を銀行借り入れで賄う予定だったが、うち2億円をみずほ銀行が引き受け先となって金利条件の有利な無担保私募債で調達した。平成18年の夏頃には全面稼働に入る計画。完成すれば月間原木消費量1万2500立方メートルの国内最大の国産材製材工場となる。(詳しくは日刊木材新聞16年9月16日付け1面)


アカ松製品値上げへ(イギルマ、ティー・エム)
不足品目から1000円(m3)
   イギルマ、ティー・エム・バイカルのロシア2大合弁アカ松製材品が10月商いから1000円(m3)値上げされる。ロシア国内のアカ松丸太が秋口から値上がりしているうえ、貨車の確保がスムーズに行かないなどコスト高要因となっているほか、日本市場でも両社商品アイテムで不足するものがあり、値上げ打診を探ったところ、受け入れられる公算が強いとみて段階的に価格を引き上げていく。(詳しくは日刊木材新聞16年9月16日付け8面)


国産集成管柱が弱含む
内外産供給増で需給緩和
   国産のホワイトウッド集成管柱が値下がりした。指標となる105ミリ角3メートル長(5層、JAS、イソシアネート系接着剤使用)は1750円(販売店着、1本)を仲値に、1700円台前半の割安値も散見する。国内の量産会社は、「国産、輸入品ともに供給が増加しており、需給が緩和している」とみる。ただ、原料となる欧州産WウッドやRパインラミナ輸入コストは依然として高値に張り付いており、「改めて全コストの見直しに入らないと、1750円割れでも厳しい採算状況に直面する」と指摘する。(詳しくは日刊木材新聞16年9月15日付け1面)


ティー・エム・バイカル、乾燥機を増設
来春にはKD率30%
   三井物産は13日、ティー・エム・バイカルに木材乾燥機を増設し、来春までに生産量の30%を乾燥材にする計画を発表した。ロシア産アカ松の乾燥化は時代の流れであるとしてKD量産化に踏み切ったもの。ティー・エム・バイカルは三井物産、田島木材とロシア資産関係当局との合弁で、アカ松を年間10万立方メートル生産している。(詳しくは日刊木材新聞16年9月15日付け1面)


木3住、ログハウス好調
木3共は苦戦に
   国土交通省はさきごろ、平成16年6月の木造3階建てと丸太組構法の建築確認統計を発表。木造3階建て戸建て住宅は2768棟で、2月と同じく2700棟台に乗せた。なかでも2×4が500棟台と好調。今年上半期(1〜6月)の戸建ては1万4328棟(前年比23・8%増)。工法別では軸組が9598棟(同28・7%増)、2×4が2576棟(同39・8%増)。一方、ログハウスは6月が106棟。上半期では(同17・5%増)。(詳しくは日刊木材新聞16年9月15日付け1面)


ロシアが丸太全体の49%占める
2004年上半期輸入
   2004年1〜6月丸太・製材品輸入(財務省貿易統計)はいずれも前年同期比で小幅に増加。丸太はロシアの伸びが15%増と大幅で、丸太輸入全体の48・7%(前年同期43・3%)を占めた。製材(加工材除く)でもロシア産材の輸入が20%近い増加となっており、ロシアを含めた欧州産製材輸入量に占める比率は41・9%に上昇した。丸太・製材の総輸入金額は2849億円で前年同期比0・5%減。(詳細は、日刊木材新聞平成16年9月14日付け1面で)


中国で加工した紀州桧FJ製品が初入荷
かつら木材商店と丸宇木材市売
  写真:右からフリー板、フロアー材、羽目板 かつら木材商店(和歌山県、桂栄生社長)と丸宇木材市売(東京都、津村進也社長)が共同で進めている紀州産桧の中国加工製品のフロア材、フリー板、羽目板が初入荷。同市売の北浜市場(埼玉県岩槻市)で開催された開設市に展示され、多数の買い方の関心を集めた。(詳細は、日刊木材新聞平成16年9月14日付け8面で)


乾燥秋田スギ製品、信頼のブランド提供
生産促進協議会が4工場認定
   良質な秋田杉乾燥製品を安定的に供給するための乾燥秋田スギ製品生産促進協議会(栗生澤節会長)が設置された秋田県で秋田スギ乾燥製品認証制度が立ち上がった。品質・寸法・含水率などの基準を設け、認定工場が生産し、この基準にに基づいた製品を秋田スギ乾燥製品として「乾燥秋田スギ」のブランドシールを貼りつけて出荷する。(詳細は、日刊木材新聞平成16年9月14日付け2面で)


シリーズ「市場と流通」E木造軸組プレカット
構造材ニーズと流通を激変
プレカット率80%へ 競争激化
  写真:ポラテック(上)と柴産業(下) プレカット工場は現在は約840工場でプレカット率は80%くらいに達しているものと見られる。都市部などでは、プレカット率は更に高いものと思われ、今日では構造材の流通においてはプレカット工場が商流の中心となるだけでなく、建築が確定した図面情報が早い段階に入手できることで、建材販売のためのトータル提案、在来木造住宅の構造的な伏図の確定などの技術的なサポート機能、鹿児島建築市場のようなサプライチェーンマネジメント(SCM)の物流拠点としてIT活用による工程納材など様々な機能・情報が集約される木造住宅の総合的な生産拠点としての機能を発揮するようになってきている。加工範囲も構造材から、羽柄材、パネル、合板などに拡大してきており、単なる構造材の加工拠点から木造住宅の構造体の供給へ、更にはサイデイングプレカットなども開発されているが、普及しているとはまだ言いがたい。仕口の加工形状も従来の蟻鎌などの大工の手加工によるものをルータなどの機械加工に代えたものから、接合性能が明確な接合金物工法も開発され、プレハブ住宅会社やビルダー、住宅FCなどで採用され昨年の本紙の調査では年間5万4000戸、木造住宅のシェア12%くらいまで拡大してきているとみられている。(詳細は日刊木材新聞16年9月10日付け3,4,5,6,7,8,9面、9月11日付け4,5,6,7面で)


ストゥーラ・エンソ、イプス集成管柱工場が完成
05年に6万5000立方メートルの供給計画
   欧州の木材製品大手、ストゥーラ・エンソ・ティンバー(フィンランド)が建設中のイプス構造用集成材工場(オーストリア)がこのほど完成。来月にもJAS工場認定が取得できる見通しで、本格的に対日輸出向けの生産を開始する。イプス工場の年産能力は、7万〜7万5000立方メートルで、集成管柱を主力供給する方針。今回のイプス工場を加えると、同社は、3工場態勢になる。(詳細は日刊木材新聞16年9月11日付1面で)


大連に製材工場建設、矢島木材乾燥
来年1月に本格稼動視野
   フローリングメーカーの矢島木材乾燥(秋田県、平野井景一社長)は、10月までに中国・大連に製材工場を建設し、来年1月にも本格的な生産を行う。今年5月には全額出資の現地法人「大連矢島木業有限公司」を立ち上げた。中国企業から輸入していたフローリングの半製品を同工場製品に切り替える。新工場は、1万3000平方メートルを大連市から賃借し、現在は2階建ての工場を建設中。(詳細は日刊木材新聞16年9月11日付1面で)


7月の合板供給量、今年最多に
国産針葉樹合板、過去最高記録に接近
   7月の内外産合板供給量は72万立方メートルで前月比6・1%増(前年同月比11・2%増)と、4月の70万立方メートルを上回り今年最多の量となった。輸入、国産ともに増えて、輸入合板は4カ月連続の40万立方メートル台入荷、国産合板ではとくに針葉樹合板が過去最高記録である平成15年9月の生産量に584立方メートル差で近づくなど、生産増が目立った。(詳細は日刊木材新聞16年9月10日付け1面で)


市岡、プレカット月産能力1万坪へ
年度内に横架・柱材ライン増設
   住宅資材卸の市岡(福岡市、市岡康一郎社長)がプレカットの加工生産能力を増強する。年度内に横架材、柱材ラインを増設するほか、特殊加工機を新設、月間能力を現在の25%増の1万坪に引き上げていく。新規需要の開拓と加工ニーズの多様化に対応し、中規模工場が割拠する九州地区で他社に先駆けて実生産1万坪の大台を目指す。(詳細は日刊木材新聞16年9月10日付け1面で)


環境会計7億円の経済効果(ウッドワン)
年間使用電力の48%が自家発電
   ウッドワンは電力会社への売電が可能になった(03年4月)ことで、6月から木くず等バイオマス発電(自家発電)の一部について、電力会社への売電を開始。すでに経済産業省からバイオマス発電所の認可も受けている。自社消費の熱エネルギー使用は多いが、バイオマス売電はまだ全国的に珍しく、先行きを各方面から注目されている事業分野。すでに03年度で国内全社の使用電力は3811万4000kwhに対し、自家発電量は1833万6000kwhと48・1%にもなっている。(詳しくは日刊木材新聞16年9月9日付け1面)


ネオベーシックIII本格発売(ランベックスプレカット事業部)
来春には九州内で月間1万5000坪体制へ
   ランベックスプレカット事業部(熊本市、原田龍三事業部長)は、在来木造軸組躯体ネオベーシックIII(最新版)の本格的販売を開始する。既に今春、日本住宅・木材技術センターの木造住宅合理化認定を取得しており、新たに設けられた「次世代耐用性能タイプ」の第1期。住宅性能表示制度の「劣化の軽減」「維持管理への配慮」項目で最高の第3等級の型式認定を得ている。価格もベースの同工法から坪1万円のアップ(施主提示段階)に抑えており、既に受注残を抱えてのスタートとなる。また同事業部では来年春をめどに第1工場の構造材ラインを全面更新、九州内(熊本、福岡)でトータル月間加工量を1万5000坪強まで引き上げる考え。(詳しくは日刊木材新聞16年9月9日付け8面)


台風で入荷減も売り辛い(名古屋の原木市場)
桧柱取り丸太は弱保合
   名古屋地区の原木市場は台風の影響から入荷が少ない。各市場は秋伐り新材への切り換えが進むが、今年は長雨や台風にたたられ、入荷が思うように回復してこない。しかし、製材工場の原木手当ても慎重で、買い急ぐ様子は少なく、需給は相殺の気配。桧・杉丸太とも大半の品目が前月比横ばい。この中で桧4m中目材の品薄が目立ち、桧4m16〜18cm仲値2万7000円(前月比2000円高)に。(詳しくは日刊木材新聞16年9月9日付け8面)


7月加工実績1万4000坪を達成
賃加工100%で急成長
  写真:賃加工で急成長したテクノウッドワークス  テクノウッドワークス(栃木県、早川孝男社長)は、7月の構造材プレカットの加工実績が1万4000坪と過去最高となった。同社は平成12年のプレカット参入以来、約4年間で3工場、9ラインの加工体制と中国・大連のCAD入カセンターで月間3万坪のCAD入力機能を持ち、100%賃加工というこれまでにないプレカットエ場の形態で急成長している。(詳しくは日刊木材新聞16年9月8日付け1面)


木質I型ビーム量産工場完成
山梨で日産1500メートル規模
  写真:A&Mカーペントリーの山梨工場 エイアンドエムカーペントリー(東京都、梅林修二社長)は、木質I型ビーム「スーパージョイスト」の製造ラインを設置した山梨工場が完成、3日に取引先関係者らを集めて工場披露を行った。同社では建築基準法37条の国土交通大臣認定を受けており、日産1500メトル(約10棟分)のI型ビームを生産していく。同社は約5年前から、木質I型ビームの国内生産に向けて研究しており、昨年8月12日付で国土交通大臣認定(37条)も受けている。(詳しくは日刊木材新聞16年9月8日付け1面)


輸出梱包でプラパレ伸びる
価格と#15規制が後押し
   輸出向けワンウェイ用パレットで再生PP(ポリプロピレン)パレットの使用比率が高まっている。輸出梱包用木材の熱処理規定を設けた「植物衛生措置の国際基準(ISPM)#15」の世界的な導入で、熱処理を必要としないプラスチックパレットが注目を集めていたが、近年、原料となる再生PPが安価で大量に入手可能になったことから、再生PPパレットの価格が大幅に下がった。(詳しくは日刊木材新聞16年9月8日付け1面)


旭ファイバーグラス、発砲系断熱材市場に参入
不燃・断熱のAFボードで
   旭ファイバーグラス(東京都、白石徹社長)が発砲系断熱材の市場に参入すると発表した。同社はグラスウール市場で4割近いシェアを持つが、断熱材市場での同製品のシェアが低下している。適材適所の断熱材需要に合せてより幅広い顧客の獲得を狙う。2年後に年間売上げ3億円をめざす。(詳細は、日刊木材新聞平成16年9月7日付1面で)


建材版・第12回ジャパン建材フェア
最新の住宅建材ずらり出品
   ジャパン建材(東京都、中本敏宏社長)は、8月27、28日の両日、東京ビッグサイトで「第12回ジャパン建材フェア」を開催した。売上げ高は472億6200万円で、目標の440億円を7・5%、前回を12・6%上回った。来場者も2万3200人で、前回記録を更新するなど建販問屋トップである同社のスケールの大きさを業界内に示した。(詳細は、日刊木材新聞平成16年9月7日付け4面で)


ダイドーハント、東日本物流センター開設
建築金物邸別即納体制を強化
   建築用金物や接合金物を製造販売するダイドーハント(大阪府、肌勢勝彦社長)は1日、埼玉県川口市に東日本物流センターを開設し、東日本への営業展開を本格化させた。邸別即納などきめ細かいサービスを行い、50億円(04年8月期)の売上げを07年77億円へ拡大させる計画。(詳細は、日刊木材新聞平成16年9月7日付8面で)


商品特集・シリーズ乾燥材(3)KD/AD羽柄材ー下
国産材・米加材の乾燥材を紹介
  写真:協和木材、インターフォー 先週に引き続いて、乾燥材の羽柄材を特集した。今回は国産材の製材メーカーとして「国有林杉100%乾燥プレーナー掛け」オカベ製材、「KD羽柄・化粧加工板を供給」二宮木材、「葉枯し・天乾で乾燥」協和木材、「カナダツガは羽柄材に最適、品質・価格も重視」インターフォー社、「人気の目細小節米松KD材」ウエルドウッド社、「KD/AD割物のデパート」日本製紙木材、「秋田杉で乾燥羽柄材」サンエース秋田を紹介した。(詳細は日刊木材新聞16年9月1日付6,7面で)


日本ノボパン工業、構造用PB全ての住宅耐力壁に販路
2×4に続き、在来木軸にも認定
   日本ノボパン工業(大阪府、山本拓社長)は2日、構造用パーティクルボード(『ノボパンSTP』)が2×4工法に続き木造軸組工法の耐力壁にも利用できる国交省大臣認定を取得したことを明らかにした。これでおおよその住宅建築の壁パネルに利用できることになったが、長尺対応でしかも既存の構造用木質パネル以上に価格競争力があり、市場ニーズの風向きが変わることが予想される(詳細は日刊木材新聞16年9月4日付1面で)


ユーロ高で苦戦強いられるー04年1〜6月欧州材入荷ー
シュバイクホファー社のルーマニアが大躍進
   欧州産針葉樹製材、加工材の04年1〜6月入荷は147万5200立方メートル(前年同期比0・6%減)でほぼ前年並み。供給国間で差があり、上位国のスウェーデン、オーストリア、ドイツ、チェコなどが伸び悩んだ。半面でバルト諸国、チェコを除く東欧が大幅に伸びた。欧州産針葉樹製材の日本向けは、米国ドルや日本円に対するユーロ高騰が影響し、産地、日本側も低収益を余儀なくされている。それでも構造用集成材向けラミナなどKD材の安定供給力を強みに、高いシェアを占める。(詳細は日刊木材新聞16年9月4日付1面で)


断熱材軒並み値上げ
石油化学製品価格急騰
   断熱材の価格が軒並み上昇局面を迎えている。原油価格が急騰し、それに伴って石油化学商品も値上がりしているため。昨年は、改正建築基準法の対応を理由にグラスウールが、押し出しポリスチレンはポリスチレン樹脂の値上がりによる値上げを実施したが、今年は、グラスウール、ロックウール、ウレタンフォームなどほぼ全ての断熱材が値上げを打ち出す事態となった。秋にはもう一段の値上げを行うところもあるほか、スチレン、フェノールなどの樹脂価格の進展いかんでは、今後さらに値上りする可能性もある。(詳細は日刊木材新聞16年9月4日付8面で)


ルポー京阪神に見る地産地消運動ー
新国産材時代の可能性を探る
   川上から川下まで企業や消費者が一体となり、木材の”地産地消”を推進する取り組みが全国各地で広がりを見せている。その形式は、NPO法人や協同組合、それに1企業独自で行うものなど様々。そこで、京阪神地区における活動を概観しつつ、”新”国産材時代へ向けての可能性を探ってみる。掲載団体・企業は、ひょうご木の住まい建築市場協議会、三木建設、いい家塾、人と木の住まいづくりネットワーク、京都・森と住まい百年の会など。(詳細は日刊木材新聞16年9月4日付7面で)


温暖化対策で第2ステップ 森林整備と地域材利用促進
林野庁の17年度予算概算要求
   林野庁は、平成17年度の予算概算要求を取りまとめた。予算額は、前年予算比14.1%増の5005億3000万円とし、17年度からはじまる地球温暖化防止森林吸収源10ヵ年対策の第2ステップの推進を中心に予算獲保に乗り出した。内容は、川上では森林整備や保全、またその担い手確保・育成に注力し、川下では間伐材を中心とする地域材の安定供給や利活用拡大を図るもの。(詳細は日刊木材新聞16年9月3日付1面で)


NAFTA、ITC決定に取り消し命令
米加製材貿易紛争
   米国向けカナダ産針葉樹製材への米国政府による高率の輸入関税問題で、カナダ側の提訴を受け、長期にわたりこの問題を審議しているNAFTA(北米自由貿易協定)は8月31日、関税適用の根拠となった米国国際貿易委員会(ITC)の決定し、取り消しを命じた。(詳細は日刊木材新聞16年9月3日付1面で)


在来・2×4両工法向けにドア出荷体制構築(JWJ静岡工場)
業務拡張、プレハング工程など追加
  写真:業務拡張が進むジェルドウェンジャパン静岡工場 ドアシステム製造及び物流センター業務のジェルドウェンジャパン静岡工場(静岡県周智郡森町)は、国内事業部門の統合を受けて、在来・2×4両工法向けの加工・出荷体制をこのほど構築した。工場にはプレハング(枠付け)工程などを追加し、取り扱い製品には外部用木製ドアを加えるなど業務を拡張。目標の「ドア材で年間5万5000セットの供給体制確立」を目指していく。今後はマンションやプレハブ住宅向けドアのOEM生産も手がけていく方針だ。(詳しくは日刊木材新聞16年9月2日付1面)


3W工場全面改装、大幅に能力拡充(インターフォー)
コスト削減、歩留り向上へ
   カナダBC州沿岸の製材大手インターフォー社(バンクーバー、ダンカン・デイビス社長CEO)は、2500万ドル(カナダドル)を投じて3W(ウエスタン・ホワイトウッド)製材工場を全面改装すると発表した。コスト削減と製材歩留まりの向上が主眼だが、この大型投資により製材生産能力も2シフトで年間1億8000万BM(約42万5000m3)へ大幅に拡充される。改装は今年11月から開始、2005年4月の完了予定。(詳しくは日刊木材新聞16年9月2日付1面)


「壁倍率4・8倍」の認定取得(八木木材産業)
9ミリ厚構造用合板+専用釘で実現
   木造住宅メーカーの八木木材産業(静岡県静岡市、八木英行社長)は、自社オリジナル新工法の壁構造(エピオスウォール)において「壁倍率4・8倍」の強度を国交省大臣から認定された。新採用のアピトン+ラワンの9ミリ厚構造用合板と特殊釘を併用しているのが特徴で、建築基準法における耐力壁の最大壁倍率(5・0倍)に迫るもの。地区的な東海地震対策も含め、差別化技術として高性能住宅の展開を強化していく。(詳しくは日刊木材新聞16年9月2日付8面)


今月から3シフト化1万1000立方メートル体制へ/FLT社
Rウッド乾式注入集成土台も生産開始
  写真:レッドウッド集成平角 フィンランドの大手集成材メーカーのフィンランド・ラミネーテッド・ティンバー社は、日本でのホワイトウッド集成平角の需要増加に対応して9月から増産を開始。従来の週5日稼働・2シフト、月間7500立方メートル体制から週7日稼働・3シフトとし、10月から9000立方メートル、11月には1万1000立方メートルに拡大する。併せてレッドウッド乾式防腐・防蟻処理集成土台の生産も開始、月間400立方メートルの生産を始める。(詳しくは日刊木材新聞16年9月1日付1面)


米松、丸太の80%近く占める/04年1〜6月米材入荷
製材はSPFが31%増
   04年1〜6月の米材入荷(財務省貿易統計を元に日本木材輸入協会が集計)は、丸太が197万立方メートル(前年比6・6%増)、製材品が208万立方メートル(同5・3%増)と、ともに増加した。製材品ではSPF(まつ、もみ、とうひ属)が94万立方メートルで同31・2%増と大幅な伸びになった。丸太は米松が同17・0%増で総入荷の78・8%を占めた。(詳しくは日刊木材新聞16年9月1日付1面)


木質系接着剤を再び値上げ
原料高騰で採算悪化
   接着剤メー力ー大手のサンベークは、1日出荷分から木質系接着剤「ユーロイド」(商品名)の値上げを実施する。値上げ幅は尿素・メラミン樹脂系5〜7円(キログラム当たり)、フェノール樹脂系12円(同)。今回の値上げは4月に次ぎ2度目。前回はユーザー側と交渉が収束したが、この間も原材料の高騰は続き、採算の悪化に歯止めが掛からない状況に追い込まれている。(詳しくは日刊木材新聞16年9月1日付1面)


クラゴ、中国で製材会社
樺山木業増設を機に集成材一貫生産へ
   クラゴ(東京都、五十嵐秀幸社長)は中国・大連で製材会社を設立した。スプルースやアカ松などを製材し、同社合弁の集成材会社、樺山木業有限公司にラミナを供給するほか、製材品や建材部材として日本やアメリカなどに輸出する。樺山木業の生産能力は構造用、造作用合わせて3500立方メートル(月間、第1期)と当初計画よりも増加する。(詳細は、日刊木材新聞平成16年8月31日付1面で)


21世紀住宅研究所、接合金物・プレカット事業へ
傘下FCで標準化
   INAXトステムグループの住宅FC事業を統括する中間持ち株会社の21世紀住宅研究所(東京都、富澤則夫社長)は傘下の木造軸組系の住宅FC4系列の躯体に接合金物工法を本格的に採用していく方針を決めた。金物工法プレカットはトステム(東京都、菊池光男社長)に発注。同社が全国8ヶ所程度の金物工法ラインを整備することになる。(詳細は、日刊木材新聞平成16年8月31日付8面で)