日刊木材新聞 12年11月


環境適合・機能性合板を開発
ホルムアルデヒドゼロエミッション合板。左がクロス下地合板、右が針葉樹内装合板。
 静岡県合板工業組合(清水市、濱田秀雄理事長)及び傘下の合板メーカー、二次加工 メーカーは環境適合・機能性合板を開発、このほど発表した。開発商品は@非ホルム アルデヒド系接着剤を用いた合板(水性高分子イソシアネート接着剤を使用したクロス 下地用合板、内装・家具・木工・店鋪用合板、針葉樹構造用合板)A炭塗工化粧合板 (Fc0薄物合板に紙貼りし、表面にパウダー状の木炭塗料をコーティングした製品) B傷に強い化粧合板(特殊塗装表面処理により耐磨耗性、耐擦傷性を高めた合板)C カテキン化粧用合板(緑茶成分を配合した化粧紙をラミネートした合板)の4種。空 気環境、健康、快適と時代が求めるテーマをもとに、合板需要拡大のための新展開の 方向性を探ったもの。各製品の製造元は@が坂政合板(清水市)AとBは浜田木材工 業(島田市)Cは富士見化成(静岡市)と丸富合板(同)。(12年11月30日付 け)

江間忠木材、蒲郡港に物流倉庫を新設
江間社長は「ニーズを的確にとらえ取引先との共存共栄を目指す」とあいさつ
 江間忠木材(東京都、江間亮三社長)は総合物流拠点の全国構築を進めるなか、東海 地区拠点の蒲郡港(東海支店)内に11月24日、144段ラックシステムを備えた 新物流倉庫を完成させ本格稼働を開始した。同地では、来春に構造部材のプレカット 2ライン月産6000坪体制と乾燥機も整備し、住宅新時代に迅速・的確な供給体制 を強化する。(12年11月30日付 け)

国産材復権で決起大会開催される
 全国森林組合連合会(飯塚昌男会長)は11月29日、明治神宮会館(東京都)で 『国産材復権・需要拡大を期して決起しよう』をテーマに全国から総勢約1500人 が集まって全国森林組合代表大会を開催した。当日は国産材の競争力強化と需要拡大、 さらには材価の適正水準への引き上げが不可欠であり、系統組織一丸となって当面の 諸課題の克服に向けて取り組む方針を確認した。(12年11月30日付 け)

松本建工、FP2×4システムハウスを開発
 松本建工(札幌市、松本節也社長)は、2×4工法の大型フルパネル(サッシ組み込 み)による「FP2×4システムハウス」を開発し、来年から本格的な供給を始める。 大型パネルの導入やインタ−ネットを活用しての設計業務の集中管理システムを導入、 会員工務店の設計業務を一括して行い、プランに基づき実施設計までを引き受ける。 資材等もインタ−ネットにより受・発注、パネルだけでなく、設備等も一括仕入れで メリットを出すなど効率化を図ったもの。工期は2カ月で、年間400棟の供給を目指 す。(12年11月29日付け)

接着材を使わない無害環境住宅に着手
ピュアウッド壁材を使用
 自然の住まい(長野県、ペ−タ−・マテ−社長)は、オ−ストリアの最新木造建築技 術ピュアウッド壁材を使用した枠組壁工法の木造住宅を、11月15日から建築に着 手した。同壁材はオ−ストリア産のモミ、トウヒを現地で人工乾燥し、製材・仕口加 工までしており、現場で5層(縦、横、斜方向)に木製ダボで接合。これにより、木 の伸縮がなく、接着剤も一切使用しないことから、化学物質汚染がない無害環境住宅 として注目を集めている。完工・引き渡しは来年2月を予定。(12年11月29日 付け)

カメヤグローバル、性能表示を開始
 カメヤグローバル(大阪府岸和田市、小山潤二社長)の展開するフランチャイズグルー プ「カトランFC」は、同FC内本部に性能表示設計課を新設し、設計図書の作成など実 務レベルでの支援を開始した。標準仕様で構造の安定、劣化の軽減、維持管理への配 慮、空気環境の4項目を最高等級で表示可能とする。(12年11月29日付け)

環境宣言を制定
 日本繊維板工業会は繊維板・パーティクルボード産業界としての環境対応への基本理念、行動指針と自主管理基準・目標値などを内容とする環境宣言を制定した。国内の木質ボード工場を対象に2005年までに建築廃材利用率を50%にする、二酸化炭素放出量5%低減(98年工業会調査基準比)、化学物質対策・ホルムアルデヒド放散量5%低減、廃棄物の20%減量化、製品安全データシートによる安全性の管理、などの目標を掲げ、環境に配慮した産業であることをアピールしている。(12年11月25日付け)

MDF、10〜15%値上げへ
 MDF(中質繊維板)のメーカーや輸入元が問屋やユーザーに値上げを打診している。需要が順調で需給バランスがとれている中で接着剤やファイバー用チップの値上りなどでコストが上昇しているため。ことに構造用(9ミリ)は地域ビルダーまでが壁パネルとして利用し始めており定尺物などは10%方の値上げが通っている。(12年11月25日付け)

サンエース秋田が操業継続へ
 (協)サンエース秋田(小笠原正二理事長)は、業績不振などで11月末で操業停止を決めていたが販売提携先の確保が出来て操業を継続する。乾燥材(杉並角)の安定供給は技術的に難しいとの判断もあり、これにこだわらずムク材なども生産する方針。(12年11月25日付け)

ウィラメット社株を公開買付へ
 ウェアーハウザー社(米国ワシントン州)は複合林産大手ウィラメット・インダストリー社(米国オレゴン州)の発行済み全普通株式を1株当たり48ドルで全て現金買収し、合わせてウィラメット社債務17億ドルの肩代わりを行うと申し出ていた。これに対してウィラメット社は拒否回答をしており、ウェアーハウザー社は株式の公開買付により買収実現に出ることにしたもの。(12年11月25日付け)

BC州のG.ウィルソン大臣が会見
G.ウィルソン カナダBC州林業大臣
 カナダBC州林業省のゴードン・ウィルソン大臣が来日し、BC州が世界的に優れた持続可能な森林経営に取り組んでいる現状を報告した。特に日本市場との関係で は、主力樹種の米ツガ製材の競争力を向上するために立木価格算定方式を変更し、乾 燥材ニーズへの対応力強化のため400万ドルの予算を計上、乾燥技術の確立に取り 組む。国際的な環境保護団体からの批判を受けている沿岸部の公有林地での伐採につ いては、環境保護団体、林産企業、地域コミュニティー、林業省との話し合いを継続 中でそれぞれの利害を調整する作業が近く合意に達するとの見通しを示した。(12年11月23日付け)

古材家具をネット販売するベンチャー企業を設立
 コクヨ(大阪市、黒田章裕社長)は、社内ベンチャー制度による新会社オリエンタルスペース(東京都、鹿野勝則社長)を12月1日の設立する。インテリアにこだわりをもつ顧客に対して、日本的、アジア的な空間・商品についての(家具、インテリア 小物、ショップ、建築など)販売や情報提供を行う。まずは古民家に使用されていた 梁や柱を活用した古材家具のインターネット販売を始める。初年度中に国内の関連す る工場、店舗の情報収集、ホームページの開設、3年目には店舗の設置も視野に入れ ている。この会社は、コクヨの社内ベンチャー制度の公募をにより選定されたもの で、コクヨの社内ベンチャー企業としては、3社目になる。(12年11月23日付け)

ユニバーサルホームが土台に豪州桧
 住宅フランチャイズのユニバーサルホーム(東京都、加藤充社長)は、このほど発売した「感動の家 NEO」の土台に豪州桧を標準仕様として採用した。土台については耐久性が高く、シロアリに対しての薬剤処理を行わなくても高い防蟻効果がある 木材として、豪州桧を採用、105ミリ、120ミリ角をオーストラリア・ニューサウスウ エールズ州の大手製材2社から安定的に供給を受けていく。「感動の家 NEO」で は、接合金物と構造用集成材の躯体、2階床には28ミリ構造用合板を使用し性能表 示制度の構造の安定(等級2、3)、空気環境(同、4)、高齢者対応(同、3)、 を標準とし6項目については型式性能認定の申請も行っている。(12年11月23日付 け)

安宅建材が、インタ−ネットで建材の受・発注業務を来年から開始
 安宅建材(東京都、神田武天社長)は、来年1月からインタ−ネットを利用した住宅資材の受・発注業務を開始する。同社は、日本電気と共同で安宅建材電子受・発注システム(AEOS)「まるごとまかせてネット!」を開発。インタ−ネットを通じてビルダ− から住宅資材を一棟分受注し、あらかじめ設定したメーカーや納材店から最適な出荷 拠点を割り出し、商品の手配・納品管理を安宅建材が一元管理するもの。これにより、 ビルダ−側の工程管理計画にも迅速に対応することができる。(12年11月22日付け)

地松平角、今回も完売
地松平角は、相変わらずの人気で出品材は完売
 東京中央木材市場(飯島正敏社長)の千葉第2木材センタ−(千葉県香取郡、久保木明徳所長)は11月10日、「岩手県産優良展示特売会」を開催した。同特売会は岩手県木材青壮年協議会、東京木材市場、同センタ−問屋組合の3者共催で行われ、メー カーは14社から360立方メ−トル(杉270立方メ−トル、松90立方メ−トル) が出品された。これを成田市売、以奈場木材、丸栄木材の三問屋がせった。結果は、 杉羽柄材、構造材に松平角を出展して行われた岩手材は、前半の杉羽柄材は苦戦をし いられたが、せり後半の松平角は売れ足が良く、はぼ全量完売。また、天井や化粧タ ルキといった特殊材は、問屋側の希望値との間に開きはあるものの引き合いは良く売 りさばかれた。(12年11月22日付け)

国産材ストランドボードを開発
新素材「エスウッド」のサンプル
 親和木材工業(岐阜県、角田惇社長)は、杉・桧の間伐材を原料とするストランドボード「エスウッド」(原木を0・4ミリ×25ミリの小切片にスライスして、含水率を5%まで乾燥、接着剤を塗布して積層し、摂氏180度のホットプレスで熱圧して製 造する)を開発。2001年からフロア材などの内装材、ドア材などの建具を中心と したエスウッド・シリーズの商品展開を開始する。なお、原板単位の供給も行う方針。 (12年11月22日付け)◇親和木材工業Eメール sinwa-m@mid.biglobe.ne.jp

スローカン、新世代OSBを開発
 カナダの大手林産会社のスローカン・グループ(BC州リッチモンド市)は、針葉樹合板並の膨張性能を持った新世代OSBを開発した。液体と粉末の接着剤を併用した新接着剤装置を導入、フェイスバックとコア部分の配合を変え最適な状態でフレークを接着することでJASの72時間片面水分吸収試験で厚み膨張率は針葉樹合板なみの7%程度とすることが可能になった。同社ではルイジアナ・パシフィック社(アメリカ・オレゴン州ポートランド市)との合弁で年間凄惨量79万2000立方メートルのOSB第2工場の建設が決まっており、対日供給も強化していく。(12年11月21日付け)

29日に店頭公開
 日本ベニア(東京、足立建一郎社長)は29日に株式の店頭公開を予定している。すでに8月1日付けで額面500円株を50円額面10株に分割している。(12年11月18日付け)

遠赤乾燥機で品確法対応
 澤崎建設(岐阜県白鳥町、澤崎正生社長)は、高速遠赤外線木材乾燥機「ドライパーフェクト」(伊豆巴産業製)を導入した。この乾燥機で地元産の長良杉や東濃ヒノキを乾燥し、品確法に基ずく瑕疵担保責任の10年間義務化や住宅性能表示制度に対応出来る構造材を供給しようとする狙い。遠赤外線による乾燥は木材の変色や割れの発生を防ぐといわれている。(12年11月18日付け)

住宅型式性能認定を取得
 品確法に基付いた指定住宅型式認定の指定が16日、日本建築センターから出された。申請していたのは日本ツーバイフォー住宅の協会型式、日本木造住宅産業協会の木住協モデルをはじめプレハブ住宅メーカーなど。住宅メーカーは、10月3日にスタートした性能表示制度に対し、評価作業が簡略化できる指定型式住宅性能認定の指定を得てから本格的な表示を行おうと様子を見ていたが、今回の指定で性能評価制度が実質的にスタートするものと見られている。(12年11月18日付け)

カラマツ土台でK3を開発
 ザイエンス(東京都、田中隆行社長)はK3対応のカラマツ土台の開発に成功したことを明らかにした。薬剤注入が難しいため従来からカラマツ土台は針葉樹の構造用製材のJASで規程する保存処理K3確保は困難とされていた。ザイエンスではAAC系保存処理薬剤のペンタキュアニューBMを改良することで浸透性の高い薬剤を作り、これによりK3対応のカラマツ土台の開発に成功した。K3対応の土台は品確法に基ずく性能表示の劣化の軽減の項で等級3を得る大きな要素となる。(12年11月18日付け)

三井木材工業、ニチハと業務提携へ
 三井木材工業(東京都、光永久之社長)は、窯業系建材(サイディング)事業でニチハ(名古屋市、吉田哲郎社長)と業務提携することを明らかにした。同事業で収益不振に陥っている三井木材工業がニチハに支援を求めるかたちとなったもので、生産、販売、物流、技術など総体にわたり業務提携を行う。細部については来春をメドに決定する。(12年11月17日付け)

南海プライウッドインドネシアで合弁会社を設立
 南海プライウッド(香川県高松市、丸山修社長)は、インドネシアで合弁の建材部材加工会社「ナンカイ・インドネシア(資本金2億1600万円)」を設立することを決定した。工場は来年4月に操業を開始する。生産品目は、主して天井の裏桟や収納のモールディング框、ラッピング用回縁など。新会社での部材加工はすでにある海外2ヵ所(インドネシア、マレーシア)からのものよりさらに20%近いコストダウンが図れるとしている。(12年11月17日付け)

構造用断熱パネルの統一規格を作成
 ストラクチュアル・インシュレーテッド・パネル・アソシエイシヨン(SIPA、本部=アメリカ・ワシントン州)は、構造用断熱パネル(SIP)の統一規格を作成しており、来年2月アトランタで開催される全米ホームビルダーズショウ(NAHB)で正式に発表する予定。SIPは北米で近年、工期短縮、省エネ性能、耐震性などが評価され年率20から30%で成長しているが、メーカー毎に規格が微妙にことななり設計時にメーカーを選定して、設計する必要があるなど制約があるが、統一規格によりSIPAのスタンプを押した製品については仕様、設計基準を統一し現場検査の効率を高め更なる普及を目指したいものとしている。SPIAのURLはwww.sips.org(12年11月16日付け)

長期連載「チャレンジ21木材産業の明日」の最終章を掲載
 日刊木材新聞では、1年半に及ぶ連載『チャレンジ21木材産業の明日』の第三章経営・企業再編を11月15日付けに掲載している。内容は「問われる生き残り方」を大きなテーマに(1)変わる日本的経営(2)敵と味方が鮮明に(3)一夜にして変わる勢力図(4)J建材で4社統合などのキーワードをもとに企業再編の在り方を検証している。
 また、同連載の地域編No21では兵庫県、岐阜県、佐賀県を特集している。主な掲載企業・団体は、兵庫県(貝原俊民知事)、兵庫県木連(竹内弘会長)、日本土地山林(株)兵庫支店(井口浩晃支店長)、住いず(林寛社長)、長良川ウッド協同組合(辻下一三理事長)、飛騨匠プレカット協同組合(逢坂昭一理事長)、鈴木木材工業グループ(長崎県佐世保市)、中村製材所(中村文俊社長)、新井組九州支店(福岡市)など。(12年11月15日付け)

ホクシン、薄物MDFラインを統合
 ホクシン(大阪府岸和田市、谷口清社長)は、本社工場内に三系列のMDF生産ライン(第1ラインは厚物MDF、第2・3ラインは薄物MDF)を所有しているが、この中で95年に稼働した第3ラインを存続させ、第2ラインと統合する。この結果、薄物MDFの月間生産量は5500立方メ−トルと以前の20%強の減少となるが、受注量に適した生産体制を敷くことができる。改修工事は11月19日から予定しており、12月第2週からは薄物ラインが復旧する。今回の薄物ラインの統合は、採算を犠牲にした操業などの悪循環から抜け出し、同社の商品特性とそのニーズに合った分に限定して生産していくもの。薄物MDFの減少について増加要望があれば、ニュージーランドのカーターホルトハ−べイ社と契約しているOEMにより、これまでの月間2500立方メ−トルから3000立方メ−トルに輸入拡大する。(12年11月15日付け)

ニチメンがキャニオン社の米松KD材の対日向け優先販売権を獲得
 ニチメン住宅資材部は、米国のキャニオン・ランバー社(ワシントン州エバレット)と販売提携に合意、11月から同社の米松KD製材の日本向け優先販売権を獲得した。ニチメンでは同製品の販売について、全量を子会社のニチメン住宅資材(東京都、佐藤守社長)向けとし、ニチメン住宅資材はプレカット会社などを中心にきめ細かく在庫販売していく。(12年11月15日付け)

ドライウッド土佐会、大阪の大規模住宅団地に乾燥木材を提供
土佐乾燥機の供給に関する調印式
 高知県内で杉・桧の乾燥材を共同出荷している協同組合ドライウッド土佐会(渡邊政喜代表理事)は、大阪の高槻市森林組合(蔵人敏男組合長)と大阪労働者住宅生活協同組合(橋本純治理事長)が進めている大規模住宅団地「たかつき花林苑」に協力し、住宅用乾燥木材「土佐ドライウッド」を供給することになった。当初、来年2月からの第1期分譲を開始するにあたり5棟分を供給する予定。(12年11月15日付け)

鹿児島建築市場、物流センターを設立
 鹿児島建築市場協議会(高橋寿美夫会長)は、独自のコンピューターネットワーク「建築市場」での物流を担う新会社「建築市場鹿児島物流センター」を設立する。これまでは、会員の建材販売店の今村木材(鹿児島市、今村正一社長)、丸川新建材(鹿児島市、川原重成社長)の2社で対応してきたが、両社で法人化する。ネットワークによる配送の効率化とコスト削減を実現するとともに、このシステムを開放することで中小の販売店にも生き残りの道を提供する。配送は4ブロックにルートを分けて、1ブロックにつき1台で邸別配送し、規模が大きくなったら専門の運送業者にアウトソーシングで直送してもらうことも想定している。(12年11月14日付け)

越智産業と小林が業務提携
 建材問屋の越智産業(福岡市、越智通広社長)と小林(広島市、小林恭光社長)は、均等出資で共同仕入れ会社を設立する。新会社名は潟Eエストハウザー。11月30日に設立される。資本金は3000万円、本社は広島市に置く。会長に小林恭光氏が、社長には越智通広氏が、それぞれ就任する。新会社は中国地域を中心とした建材販売の強化が目的で、当面は商品仕入れ面でのスケールメリットを狙う。(12年11月11日付け)

全国木材産業振興大会開く
 全木連、全木協連主催の全国木材産業振興大会が9日、茨城県つくば市の国際会議場で開かれた。テーマは「21世紀は木の世紀、めざせ資源循環型社会」。大会では「木材流通の構造変化と木材産業の構造改革」「木材利用の拡大」「木材の技術開発および乾燥材、規格木材の生産・供給」の早期実現の必要性が強調された。さらに経営改革による魅力ある木材産業の再構築を目指し、新たな林政の早期実現と木材産業の位置付けの明確化など6項目を盛り込んだ大会宣言を採択した。(12年11月11日付け)

12月からネットオークション
 中国合同木材市場(広島市、和泉真社長)は、12月13日からインターネットを利用したネットオークションを開始する。一般消費者になじみのある商品を、消費者にも理解されるサイズ、数量単位を用いてネット上で紹介する。ホームページアドレス=http://www.chuichi-net.com/(12年11月11日付け)

米材輸送に小型船投入
 江間忠木材(東京都、江間亮三社長)は、米材丸太輸送のため従来の専用船に比べて小型の新造船3隻を張り付け船として投入した。1隻目が袖ヶ浦と小松島にこのほど入船した。新造船は3隻とも17型船型(320万BM=スクリブナースケール、13000立方メートル弱、インボイス)と小型。多港積み、多港揚げで生ずる輸送コスト増を軽減することが目的。(12年11月11日付け)

三河材流通加工センターがオープン
 木材集荷から製材、二次加工、プレカットまで一貫して手がける国産材流通拠点「三河材流通加工センター(HOLZ三河)」の原木市場、防虫防腐工場など第1期分の施設がこのほど完成した。市場面積は2万平方メ−トルで、1日3500本の処理能力を持つ原木選別機を導入しており、5年後には年間原木取り扱い量を6万立方メ−トルを目標としている。同センタ−の事業主体の三河材流通加工事業協同組合(岡本一郎理事長)は愛知県森連、トヨイチ、八楽木材市場、三囲木材、富士杉材木店、山宗製材、石原産業、ウッディシステムと地域13森林組合の計21社(団体)で構成。総面積44600平方メ−トルのうち、今回オープンしたのは三河材原木を集荷販売する木材市場と木材防虫防腐工場(処理能力は1日12立方メ−トル)で、今年中には加工エリアの舗装工事が完了、2001年度には製材工場と仕上げ工場(二次加工施設)、2002年度には構造材、羽柄材加工ラインを導入したプレカット工場を開設する予定。(12年11月8日付け)

ライティンガ−社、F/J構造材の対日出荷を増強
 オーストリア木材製品大手のライティンガ−社が本格的に日本市場に参入する。同社では来年の対日向けの木材製品輸出量を6万立方メ−トルを目指しており、とくに構造材分野で、フィンガージョイントビームが取引先の住宅会社に標準採用されている。
また、製材二次加工原料の50%をロシア産アカ松原板などに依存している関係から、構造用集成材用アカ松ラミナの市場開発も進めていく。(12年11月8日付け)

群馬で国産カラ松が暴騰気配
 群馬県内では公共事業関連の土木工事用資材を中心に国産カラ松小径材の需要が急増して供給が間に合わず著しい価格上昇が起こっている。通常15000円前後(立方メートル当たり)の取引が中心なのに,11月初旬の県森連の共販では4メートル、末口径8〜10センチの丸太が18200円(前回比500円高)で買い取られた。同県ではカラ松間伐材の需要拡大のために公共工事用の資材としての使用を積極的に奨励している。このため土木、河川工事の杭や沈床、あるいは道路の防音壁用などで需要が増えた。しかし供給に限度があるため、需要が集中すると思わぬ価格上昇が起こる。今回のそのケース。県森連では当面の需要に対応するため急遽、北海道産のカラ松を手当てするが価格は群馬着で22000円とか。もっとも同じカラ松でも18〜28センチ材は13000円で売るのに苦労しているという。(12年11月10日付け)

木材保存「効果と安全」両面で
 日本木材保存協会は「環境に優しい木材保存処理]技術の開発事業」を12年度から5ヶ年間の継続事業として行う。エクステリアや橋などにも木材が使用されるようになって保存処理による木材の耐久性向上が求められるようになったことに対応するもの。その一方では使用する薬剤の環境への負荷を軽減することや回収を容易にする技術の確立も同時に必要。この二つの要求に応えるために今回の事業では12の課題を設けて取り組む。(12年11月10日付け)

環境対策と事業継続のはざ間で悩む製材
 奈良県桜井市や吉野町など製材産地で製材工場経営者が環境問題に頭を痛めている。古くからの製材産地では従来からの工場近辺で住宅開発が進み、騒音や木屑を燃やす焼却炉の煙が周辺住民から公害と決め付けられて非難の的にされている。さらにダイオキシン法により従来の焼却炉が規制を受け、新しい焼却炉を導入するには5〜6000万円(火格子内2立方メートル以上)の費用が掛かる。製材経営が著しく厳しい時期だけに公害、環境対策と事業の継続に悩む経営者の胸中は一段と深刻になっている。(12年11月10日付け)

BC州の製材各社KD能力向上
 カナダBC州沿岸の日本向け製材各社でKD(人工乾燥)設備投資が活発になっている。日本向け製材品輸出大手のプライメクス・フォレスト社は14万2千立方メートル(年)のKD処理能力を持つソルトエア・ティンバー・プロダクツ社に資本参加してKD施設の優先使用権を得た。同社はエイコン工場にも大規模なKD施設の追加設置を予定している。日本で品確法が施行されKD材の需要増加が確実と見てBC州の日本向け製材工場ではKD材加工施設の新・増設が盛んに行われているがプライメクス社の今回の投資も同様の狙いからのもの。(12年11月10日付け)

ITTO、2000年目標を延長
 ITTO(国際熱帯木材機関)は11月4日まで横浜市で開いた理事会で現行協定の3年延長を正式に決定した。持続可能な森林経営から生産される木材のみを貿易対象とすることなどを盛り込んだ2000年目標が達成出来なかったため、内容はそのまま生かし名称を「目標2000」として協定の3年間延長を決めたもの。今後は2000年目標の未達成要因の解明や各国の伐採や計画のチェック方法の開発、診断ミッションの派遣などを行い目標達成に努力することが確認された。(12年11月9日付け)

建材のリサイクル技術開発に成功
 松下電工(大阪府門真市、西田一成社長)とコニシ(大阪市、森本昌三社長)は、共同で高温加熱することで基材と化粧材を分離する「接着・分離技術」を開発した。建材業界で初めて。この技術を使えば化粧鋼材と石膏ボードや化粧シートと木質基材の分離が容易に出来る。本格的なリサイクル技術として注目される。(12年11月9日付け)

返品多く操業停止に
 (協)サンエース秋田(能代市、小笠原正二理事長)は、秋田杉の乾燥材生産を行ってきたが返品が多くデッドストックが増えて先行き経営が成り立たないとの理由から11月限りで操業を停止することを明らかにした。秋田杉芯持ち一般材のKD材供給を事業化して注目されていたが、乾燥技術の未熟さか、ユーザーの性能要求が強すぎたためかは定かではないが、製品が市場に受け入れられなかったことが原因。今後に付いては国や県の助成を受けていることもあり関係者間で検討して行く。(12年11月9日付け)

全国銘木展賑わう
注目を集めた天然秋田杉天井板
 44回全国銘木展が能代市の秋田県銘木センターで開かれ製品、原木合わせて6億円を売る盛況振りだった。製品別では張天井板は不人気だったが、1200点を越す単盤類は良材に人気が集まり70%を売った。軒天井板も230点の出展中8割に引き合いが入った。天然秋田杉天井板は1600点のうち約5割を売った。原木は天然秋田杉、吉野杉、ケヤキなど全国から700立方メートルを越す銘木が出品された。(12年11月9日付け)

米ツガ丸太の値下げ要求
 日本米材製材協同組合(安藤友一理事長)は7日、大阪で例会を開き各地区の情報交換を行った。この結果、製品価格は保合だが荷動きは秋以降も回復せず、現状以上の値上げは見こみ薄。このため、産地価格に値下がり傾向が見られる丸太価格の値下げを商社に対しして要求することを決めた。(12年11月9日付け)

福島県須川市に「郡山木材市場」を開設
 協和木材(福島県、佐川広興社長)は、福島県須賀川市滑川字31ー1に木材製品市場「郡山木材市場」を11月18日に仮オープンする。参加問屋6社の複式市場で市日は毎月第1と第3の土曜日。取り扱い材は国産材、外材、銘木製品を中心にプレカットの仲介も行う。参加問屋は、桧山木材、日和田木材、丸萬金沢商店、金平、郡山銘木、市場営業部などで、販売先は福島を中心に栃木、茨城、新潟、宮城、山形方面の木材製材業者を対象にしている。正式の開設は来年3月頃の予定。(12年11月7日付け)

「ジャパンホームショー2000」が14日から、東京ビックサイトで開催
 住宅関連の専門展示会の「ジャパンホームショー2000」が11月14日〜17日まで東京・有明の東京ビックサイトで開催される。22回目となる今回のテーマは「人と自然にやさしい住まいー21世紀の快適な暮らし」で、出展者は日本をはじめ
 カナダ、アメリカ、ニュージーランドなど国内外の17カ国から390の企業・団体が参加する。日刊木材新聞社では開催に先駆けて、4ページの特集記事を掲載している。掲載企業・団体名は、吉川化成、ソ−ゴ、新昭和、日本木材総合情報センター、エイム、石森屋材木店、クリーンペア総本部、以奈場木材、サ−ポート、CANPLY、カナダ在来木材協議会、BCウッド・スぺシャリティーズ、ケベック住宅建材産直グループ、スキャンインタ−など。(12年11月7日付け)

海部イーグルプレカット、操業3ヵ月で早くも月間目標を達成
専門技術者が常駐する加工棟
 イーグルプレカットの大森木材(愛知県、大森宏幸社長)が設立したグ−ルプ新会社の海部イーグルプレカット(愛知県海部郡、坂柳充宏社長)では賃加工プレカット操業開始から3ヵ月で月間加工ペ−スが2000坪に達成し、早くも月間目標量を達成した。同社ではグループの浜問屋部門である名古屋市売木材の業務強化を図り「材プラス加工」の体制を敷いてユーザー対応力を高めることを目的にしている。(12年11月7日付け)

住まいづくり無料サイト「e−ハウスバンク」開始
 建築用ソフト開発のテレシス(東京都、龍山慧實社長)は、11月1日から、消費者主導の住まいづくり無料サイト「e-ハウスバンク」を正式にスタートした。これは、一般消費者に住宅プランニングの簡易版(間取り、仕上げ、見積もりなどのソフト)を無償で提供し、住まいづくりの新しいシステムを構築するのが狙い。運営費は、工務店やハウスメーカーの加盟料や成約手数料でまかなっている。一般消費者の登録は、現在5036人だが、1年後には5万人を目指している。(12年11月3日付け)

プレカット工場、年内はフル稼働
 本紙が全国16カ所のプレカット工場に対し行った稼動状況調査によると、11月受注は107・9%と高水準で、12月も102・9%と年内はフル稼働が続きそう。関東地域では分譲住宅の好調が続き、中部や中国地域はピークの最中だが、関西地域は既にピークを過ぎ、下り気味と地域による格差も広がりつつあるようだ。(12年11月3日付け)

杉、桧など針葉樹丸太ほぼ完売
セリは低調だったものの結果的に8割近くを売った広葉樹
 二之宮原木市場(群馬県富岡市、田村栄司社長)が10月25日に開催した「銘木まつり」では、広葉樹・針葉樹丸太合計800立方メートルを出品。県内外から80人の買い方が集まり、杉・桧の相場は保合だったが、このところの出材量が少なめであったことから玉確保の動きが見られ良く買われ、ほぼ完売。広葉樹の買い気もまずまずで、せり後の随契と合わせて全体の8割を売った。(12年11月3日付け)

国産材原木の品薄、値上り
 10月末の国産材原木価格は各地で値上りしている。森林所有者がこれまでの安値を嫌い伐採を控えているため。しかし10月から11月に掛けては各地で展示会が多く、これを目指して出材が増える。そのため1部では品薄感が緩んだ地域もあるが、価格は9月末に比べて若干値上りしている。中でもヒノキは杉に比べ品薄で売り腰を強めている。(12年11月2日付け)

団体初の森林認証取得
 高知県梼原町森林組合は10月30日に国際組織「森林管理協議会(FSC)」による森林認証を取得した。国内では速水林業が取得第1号だが、団体としては初めての取得となる。また同森組は取引先の池川木材工業(吾川郡、大原栄博社長)と共に流通加工認証も取得した。認証を取得すると適正な(持続可能な)経営が行われている森林からの生産物としてロゴマークの表示が出来,環境問題に関心のある消費者らの製品選択の目安になる。梼原町は四万十川源流域の林業地域にあり、認証取得には高知県が資料作成や技術指導などで支援した。(12年11月2日付け)

置き床の出荷好調
 乾式遮音二重床(置き床)工業会のまとめによると7〜9月期の置き床の出荷量は3,148,000平方メートルで前年同期を32.6%上回った。マンション建設が高水準に推移してきて、内装工事に入り出荷にドライブが掛かっているもの。メーカーによると置き床は直貼り床とシェアーを二分するまでになっており、その90%まではマンション向けという。今後は一戸建て在来木造住宅分野への市場拡張を狙うとしている。(12年11月2日付け)

合理化工法をFC展開へ
 飯田産業(東京・武蔵野市、森和彦社長)は自社で開発した木造合理化工法の「I・D・S−U型工法」を性能表示対応住宅として明年1月からフランチャイズ展開する。モバイル端末を使った工程管理ソフトを必須とし自由設計で狭い土地にも対応可能な住宅として売り出す。関東地区で初年度40社、400〜500戸。3年後には2,000戸体制を目指す。(12年11月1日付け)

パレット素材も多様化
 輸出梱包の熱処理問題などから、パレットも木材からMDFや、再生木材などを素材として採用するところが増えている。日本パレット協会の推定では昨年のパレット生産量は約4900万枚で、このうち木製のものは3800万枚と最多で残りはプラスチックや金属など。しかし、今年1月から中国向けの輸出梱包材に熱処理の規定が加わり、来年1月からはEU向けにも針葉樹製材の場合、熱処理などが義務付けられることから、MDFや再生木材などを新たに採用したパレットが増えているという。MDFの厚さ調整で強度は確保でき、価格は木製に比べると割高だが、熱処理費などを加えると十分対抗できるとしている。(12年11月1日付け)