2×4コンポーネント
2×4住宅の新設住宅着工は8月までの累計で7万6937戸(前年同期比2・0%減)と過去最高だった前年の水準には及ばないながら、一昨年(15年)同期比では4・5%増と堅調に推移している。2×4コンポーネント工場の受注も大手を中心に活発で、8月以降は単月で過去最高を記録する工場も相次いでいる。
2×4コンポーネント工場を(上)(下)2回にわたり特集した。
設計からの一貫サポートで事業拡大
ウイング(東京都、渡邊実社長)は設計から建て方、住宅から非住宅、SPFから国産材まで幅広く手掛けることで、事業の拡大を図っている。2×4住宅業界は勢力の移り変わりが激しく、多様な顧客ニーズに対応できないと安定した受注を確保できない。同社の事業規模は年々拡大しているが、取引先上位は5年前と様変わりしたという。
月産5,000坪超の安定稼働に
シーアイウッド(千葉県袖ケ浦市、日野恵一社長)の2×4事業(パネル、プレカット)は6月から堅調で、しばらく高稼働が続く見通し。10月生産量は今年最高となる5400坪を見込み、11~12月も月間5000坪強を維持しそうだ。
安定品質の部材を安定供給
関西の2×4プレカット事業でパイオニアである津田産業(大阪市、津田潮社長)は、大阪(大阪市)、名古屋(愛知県海部郡)、九州(福岡市)、東北(宮城県登米市)の4工場で年間6000棟の2×4プレカット構造部材を加工する。特徴の1つとして4工場が連携し、全国どこでも安定した品質の2×4部材を安定的に供給することを可能としている。
2×4、在来、金物の3工法に対応
長谷川萬治商店(東京都、長谷川健治社長)は、館林事業所と仙台工場の2拠点で2×4工法パネルの製作を行っており、2工場で月間3000坪の生産能力を備えている。館林事業所では、2×4工法パネルだけでなく、在来工法プレカットと金物工法のプレカットも行っており、それぞれの生産部門が連携して効率的に生産している。
組織で成長できる会社へ
シー・エス・ランバー(千葉市、中井千代助社長)は2×4受注が順調に拡大しており、9月の売り上げは過去最高となった。大手賃貸住宅会社向けだけでなく、一般物件も増えており、10月はパネル、プレカット、アッセンブルの合計で8500坪まで拡大する見通しだ。
非住宅分野で開発高める
北海道と新潟でそれぞれコンポーネント工場を構えて展開をする王子木材緑化(東京都、大原寛信社長)は、各工場の生産能力と地域ニーズを分析、加えて資材仕入れにおいて、商社機能を果たす同社の資材部門を活用した総合力で、安定した生産を誇る。
主力2拠点の生産安定
高橋木箱製作所(東京都、嶋田貫一社長)の2×4事業は、茨城県の鹿島事業所と愛知県の大門事業所の2拠点で、それぞれ月間約2000坪、同約1500坪のパネルを生産している。今期受注はいずれも堅調で、稼働は安定している。中でも港湾部に位置している鹿島事業所は、物流面での立地条件にも優れる。
効率・精度を一段アップ
藤田木材(栃木県鹿沼市、藤田一実社長)の2×4コンポーネント工場は目下フル稼働で、当面忙しさが続く見通し。県内主体に戸建が堅調に推移しているほか、大手工場が対応しづらい物件を含めて小回りを利かせることで工場稼働率を高めている。
設計段階からパネルを工夫
北関東パネルシステム(群馬県渋川市、佐藤秀樹社長)は、壁・床・屋根のフルパネル化に対応し、月間1000坪、プレカット200坪、建て方600坪を供給する。職人不足を反映して建て方、造作工事などを含めて依頼されるケースが増えており、経験豊富な職人を現場に派遣して得意先から喜ばれている。
豊富な在庫で安定供給
アジアトレーディング(群馬県前橋市、金井一郎社長)は2×4ランバー、ランバーコア、LVL、イーゼル・額縁等の輸入商社。大手商社にはないきめ細かなサービスが特徴で、自社倉庫と自社トラックを使って小口の需要にも柔軟に対応している。商圏は関東一円から北陸、東北、長野、静岡などに拡大している。
2×4で47年の実績
太平ハウジング(岐阜県可児市、渡邊圭修社長)は、2×4事業で47年の実績がある。JAS認定の工場では月間約1500坪を加工しており、フルパネル出荷が可能だ。現在は、仕事の質を高めることを目的に工場環境の整備を進めている。
C、x(クロス)マーク金物で業界に貢献
木造住宅用接合金物の製造及び販売を手掛けるヤブモト工業(大阪府、藪本光彦社長)は、2×4工法用締結金物(略称Cマーク)を中心とした各種金物を製造・販売している。2016年12月に東光機材工場がCLTパネル工法用金物規格「x(クロス)マーク」金物の認定工場として承認されたことから、同金物の製造・販売を開始、その取り組みが注目されている。
パネル受注は過去最高に
ランバーテック(埼玉県蕨市、斉藤一男社長)は古河工場(茨城県古河市)のパネル受注がピークを迎え、11月は過去最高となる月間4000坪を超える見通しだ。パネル化率は従来の5割から6割近くに上昇。パネル受注は12月分もほぼ埋まり、年内はフル稼働が続くと見ている。足元の需要は「7割近くまでパネル化率を高められる」(斉藤社長)ほど旺盛だが、品質へのこだわりから外注には出さず、自社で生産できる量に制限している。
工場で防腐・防蟻処理し実寸で邸別出荷
木材保存処理大手のザイエンス(東京都、荒井浩社長)が2014年度から開始した2☓4住宅土台の実寸による邸別納材事業が、コンポーネント会社、2☓4住宅会社、ビルダーなどから評価され、受注を拡大させている。同事業は2☓4住宅土台をザイエンス傘下工場で防腐防蟻処理するとともに、邸別で実寸カットも行うもので、施工現場では一切の現場加工をせず使用できるようにした。
墨付け機能付きプレカット機供給
鈴工(三重県伊勢市、牛場まり子社長)は、2×4加工機をはじめ、搬送システム等を含めたなど総合的な自動化ラインを提案できる体制が特徴で、機械化と人力のバランスを考慮しながら、加工工程・組み立て工程それぞれの高効率化を支援している。
注文住宅・分譲が6~7割
2×4住宅パネル製造・建方施工事業をはじめ、木製パレットのフルオーダーから合板加工販売までを手掛けるシガウッド(滋賀県長浜市、髙橋文夫社長)。2×4プレカット・パネル事業は堅調で月間供給坪数はパネルとプレカットを合わせて2,000~2,500坪となっている。月間50棟前後の供給ペースで大半がパネル出荷だが、一部プレカット加工で提供している。供給棟数のうち、注文住宅・分譲が6~7割を占めている。残りが集合住宅他木造施設という割合で、東海・北陸・近畿と広範に取引先のビルダー、工務店、住宅販社などに供給している。
構造計画業務を効率化
キャリアネット(名古屋市、鈴木和広社長)は、日本ツーバイフォー建築協会の監修のもと開発した2×4工法計算ソフト「らくわく」の販売・普及や機能強化、サポートに取り組んでいる。スパン表にかわって構造計画業務を効率良くこなし、断面選定、壁量計算、引き抜き金物選定、基礎の検討が可能で、屋根から基礎まで一貫対応できるのが特徴だ。
合板プレカット、合理化高まる
2×4工場に向けて総合的な設備を提案している内外工業(広島市、三浦公司社長)は、合理化、自動化が進む状況に対して、新しい取り組みや提案をしている。同社の主力商品である3次元カット機「マルチアングルカットソー」はCAD/CAMと連動して2×4や在来羽柄プレカットが可能になる。2×4では床・壁・屋根のフルカットができる。レーザーシステムを2基搭載し、番付・墨付けを高精度で行う。
加工精度・生産性・信頼性向上
フンデガー総輸入販売元の沖機械(広島市、沖清社長)は、ドイツ・フンデガー社最新機種の羽柄・2×4加工機「TurboDRIVE2(ターボドライブ・ツー)」を木工機械展に合わせて販売開始した。
木造の可能性追求
三井ホームコンポーネント(東京都、渡部一廣社長)は2×4工法の枠を越えた木造の可能性を追求し始めている。そのうえで、4〜5年後の中期目標としては住宅向けの構造材加工販売で、シェアを現在の2倍にする目標を掲げる。この2年で全国的な営業所展開を進め、計画を果たしていく。
グループ全体で機能拡充
江間忠ホームコンポーネント(東京都、藤井豊社長)はプレカット加工の野田工場(千葉県野田市)とパネル生産の嵐山工場(埼玉県比企郡)の2工場体制で、月間3600坪の供給量がある。このうち、パネルは同1800坪と半数を占める。足元の受注は堅調で、アパート物件を中心に年明けまで高水準の稼働が続くと見ているが、将来的な住宅市場の縮小を見据え、江間忠グループ全体のなかで戦略の見直しを図っている。
2×4、非住宅向け前年比9割増
日本木質トラス協議会(会長=久保隆一プライムトラス社長)の会員10社が昨年供給したネイルプレートトラスは3124棟(前年比1・7%減)と微減したが、畜舎や倉庫、商業建築物など2×4工法で建てる非住宅向けは274棟(前年比90・3%増)と倍近く伸びた。住宅向けが減ったために2×4工法全体のトラス振数は8万2134本と同4・2%増にとどまったが、大型物件が増えたことで材積は7717立方㍍(同34・2%増)と3割以上増えた。
上半期の売上過去最高
プライムトラス(東京都、久保隆一社長)は2×4製材をギャングネイル(ネイルプレート)で接合するトラスの製造・販売メーカー。非住宅向けの受注が伸び、今年度上期の売り上げは過去最高となった。
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