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プレカット

新築需要減少で競争激化新たな市場開拓と効率性を追求へ 昨年は消費増税の反動で住宅着工が落ち込み、プレカット工場は厳しい受注競争に入っている。プレカット業界も大手がさらに拡大し、コスト競争力を高める一方で、利益が取りやすい中小工務店の仕事が減少し、これら工務店を主要な顧客層としていた中小プレカット工場も苦戦が続いている。

テクノウッドワークス

 首都圏住宅用シェア拡大へ

 

プレカット大手のテクノウッドワークス(TWW、栃木県鹿沼市、早川孝男社長)の昨年稼働実績は63万2,469坪(前年比6.3%増)と増加した。総加工能力は関連会社を含めると月間9万6000坪まで増強しており、加工坪数で国内2番手につけている

シー・エス・ランバー

 ラインの全面更新へ

 

シー・エス・ランバー(千葉県東金市、中井千代助社長)は今秋にも構造材加工機を入れ替え、生産体制を刷新する。月間1万1000~2000坪の加工能力を維持したまま既設の6ラインを新規の大型ライン2ラインに集約、2シフトで70人を必要とした関連人員を43人に減らす。人件費、電気代を削減するとともに、引き続き端材の有効活用や材料の使い方の工夫など材料歩留りの向上に取り組み、コスト競争力の強化を目指す。

マルサン

 横架材ライン刷新、生産効率化

 

 マルサン(=東北プレカットワークス、福島県二本松市、前田英俊社長)は月間6000坪の加工能力を持つ東北地区の木造軸組プレカット大手だが、早くから住宅市場の縮小を見据え、2×4パネル供給、吹き付け断熱材の施工と多角的に事業を展開してきた。前期(15年2月期)の売り上げは駆け込み需要の反動で前々期比15%減少したが、今期は5月まで前年同期比8%増と堅調で、通期では前期比10%増を目指している。

茨城県西プレカット協組

 手加工の対応力に定評

 

 茨城県西プレカット協同組合(茨城県筑西市、平出博理事長)は特殊加工を得意とするプレカットだ。5軸加工機による機械加工はもちろん、機械ではできないような特殊加工は専業で所属する大工職人の手で対応できる。その対応能力の幅広さから、遠方からも同組合を頼る顧客がやってくるという

王子木材緑化

 15年度に入り受注好調

 

 王子木材緑化(東京都、大原寛信社長)は、王子グループが国内外に保有する森林資源を総合的に活用し、付加価値を高める取組みを積極的に進めている。王子木材緑化(東京都、鎌田和彦社長)。その一環として、住宅・建築資材販売事業では北海道(在来軸組プレカット、2X4コンポーネント)、新潟(2X4コンポーネント)の各直営工場で高品質な住宅部材を製造、販売している

 

佐藤木材工業

 北上支店の加工増える

 

佐藤木材工業(北海道北斗市、佐藤久幸社長)は、住宅建築の工法が多様化するなか、2×4工法や木造軸組工法、金物接合工法の加工に対応するプレカット工場を完備し、建築施工のノウハウを提案している。

しれとこプレカットセンター

 非住宅向け伸びる

 

 しれとこプレカットセンター(北海道斜里郡中斜里、佐藤年彦社長)は、佐藤製材工場(同)をはじめとする道東の工務店、建材会社で組織しており、在来軸組プレカット加工販売を末端の工務店や大工に行っている。14年度のプレカット加工実績は、840棟と前年度から19棟増加した。そのうち、公営住宅が19棟、病院施設や薬局、高齢者施設などの非住宅は25棟と非住宅向けの加工が増加している。今年度に入っての加工実績も4月58棟、5月92棟と順調だ。

北海道プレカットセンター

 金物工法と非住宅に注力

 

 北海道プレカットセンター(北海道苫小牧市、和田修社長)は、戸建て住宅や非住宅向けの金物工法や、大型木造建築向けの大断面構造用集成材の加工に力を入れている。

チューモク

 競争力ある特殊加工に強み

 

 チューモク(富山県南砺市、澤田喜朗社長)は、得意とする特殊加工と、競争力を担保した機械プレカットの総合提案が特徴づいている。

ウッディパーツ

 加工特化で精度に強み

 

ウッディパーツ(富山県高岡市、中村正治社長)は、受注窓口を吉久(同)に、プレカット加工に特化している。加工専門の強みを生かした加工精度の高さと、グループ会社で木材販売の吉久の持つ、高い部材提案力を存分に発揮し、受注につなげている。

 

ザイエンス

 住宅性能の向上を提案

 

防腐防蟻処理木材製品製造販売最大手ザイエンス(東京都、荒井浩社長)の主製品である木造住宅向け防腐防蟻処理土台販売はプレカット産業と緊密な連携にある。土台総出荷の80%前後を全国のプレカット工場に安定供給するとともに、残りの20%前後も木材建材流通を経由してプレカット工場で加工されて住宅会社、ビルダー、工務店に邸別出荷される。取引先木造軸組プレカット事業所は全国300社前後に及ぶ。

けせんプレカット事業協組

 建て方までトータル受注

 

けせんプレカット事業協同組合(岩手県気仙郡、佐藤實代表理事)は12~13年度に大幅な設備投資を行い、在来プレカットを2ライン化、2×4プレカットを3ライン化、2×4・在来パネルラインを4ライン化、これにトラスラインを1ライン体制とした。現在の月間加工ペースは、在来が6500~7000坪、2×4が4500~5000坪、トラスが1000坪という。

タナカ

 オメガメタルブレースに水平用追加

 

 タナカ(茨城県土浦市、田中司郎社長)は水平構面の床倍率を確保できる鋼製ブレース「オメガメタルブレース水平用」を7月にも発売する。昨年発売した壁倍率2・0倍の「壁用」と部材構成が同じため、有効範囲内の対角寸法であれば「水平用」「壁用」のどちらにも利用できる。ビスどめで既存の軸組に後付けできるため、新築だけでなく、リフォームにも適している。耐震設計、耐震補強の概念を変える商品として、ビルダーやリフォーム工事業者、プレカット工場などに広くPRしていく。

宮川工機

 VXシリーズは全国に180ライン

 

宮川工機(愛知県豊橋市、宮川嘉隆社長)は、プレカット機械メーカーとして多様な加工機や付帯機、プレカットCAD、生産支援システムなどを展開し、事業者の要望・要請に応えている。最近では非住宅木造化の需要を背景に大断面加工機の採用が伸びている。

マルダイ

 ワンストップ体制で支持集める

 

大型小売店のマルダイ(静岡県富士市、深沢裕一郎社長)は、プレカット事業を大工・工務店支援サービスの中核に据え、同社が事務局を務める富士山木造住宅協会(大瀧功会長)のネットワークを軸に、木材・建材・住設機器等の供給・提案を含めた総合的な支援体制を構築している。また、非住宅物件への対応を進めており、先般には新鋭の大断面加工機MPS‐55(宮川工機製)を導入して機械加工の体制を整えた。

 

後藤木材

 非住宅向けに注力

 

後藤木材(岐阜市、後藤栄一郎社長)は、岐阜県各務原市テクノプラザ内のプレカット工場で月間約3800坪を加工している。主力の注文住宅や、公共・商業施設といった非住宅物件に対応しており、後者の比率は15%程度となっている。顧客は、岐阜、愛知、三重、滋賀県の地場工務店など約800社。最近は、柱の無い空間が求められる比較的小規模な飲食店や中規模の倉庫といった非住宅物件にも力を入れており、特殊加工機の導入を検討している。

スカイ

 広範な需要に総合対応

 

スカイ(静岡県磐田市、高橋幸嗣社長)は、これまでに実施した段階的な設備投資により2エリア6工場に生産効率の高いラインを集約している。昨年末にはCLTや大断面材に対応できる全自動6軸加工機(ユニチーム製)を導入し、このほど本格稼働に入った。一般住宅から大型木造建築等まで、広範な領域の需要に総合的・合理的に対応していく方針だ。

東海プレカット

 特殊加工で付加価値提案

 

 東海プレカット(愛知県海部郡、石井保治社長)は、西部工場(愛知県海部郡)と大口工場(同丹羽郡)でプレカット事業を展開している。親会社の東海木材相互市場も飛騨匠工場(岐阜県高山市)を運営しており、3工場に計50人が従事している。大口工場では独・フンデガー社製の特殊加工機「K2i」が稼働しており、付加価値の高い特殊加工の受注に力を入れている。直近では、中部地方のほか関東や関西などからも受注を獲得している。

大日本木材防腐

 ビルダー向け増加

 

 大日本木材防腐(名古屋市、鈴木龍一郎社長)のプレカット事業は、防腐処理木材の製造販売、外材や建材の販売などと並ぶ主力事業だ。名古屋市港区のプレカット工場では14年度は平均で月間約4600坪を加工した。ここ数年は地域ビルダーの新規開拓が進んでおり、これが消費増税の反動減を最小限に留める要因となっている。

上地木材

 品質と地域密着に信頼

 

上地木材(名古屋市、上地浩之社長)は、愛知県知多郡東浦町のプレカット事業部で柱や梁・桁などの構造材の加工や伏図作成を行っている。愛知、岐阜、三重県の工務店や木材販売店、大手ビルダーが主な取引先で、現在の加工数量は月間約800坪。材料、CAD、加工、納品についての品質を重視し、地域密着で信頼を獲得している。

 

矢橋林業

 ベトナム、キャンマーでCAD

 

 矢橋林業(岐阜県大垣市、矢橋龍宜社長)のプレカット事業は、垂井工場(岐阜県不破郡垂井町)と昼飯工場(同大垣市)の2拠点が加工を、ベトナムとミャンマーのグループ会社3社がCAD・CAMのデータ入力を担っている。14年度は、構造材で月平均約3000坪、羽柄材で同約9100坪を加工した。15年度は、工務店などを対象にした住宅事業支援サービス「ヤバシ・プロセス・サポート・リンク(YPSL)」を本格化する。

辻井木材

 京都府内産材を積極活用

 

 辻井木材(京都市、辻井重社長)は積極的な京都府内産木材の活用に力を入れており、同社の舞鶴プレカット工場でも構造材、羽柄材、合板等で府内産木材取扱比率を50%まで高めていくとの目標を打ち出し、これに近い水準まで比率が上昇している。「公共木造建築や非住宅木造建築が増えており、こうした受注が入った月は国産材比率が一気に上昇する。今後は木造軸組プレカット加工の多機能化にも取り組んでいく方針で、在来木造パネル製造などを検討していく。

マツシマ林工

 国産材利用の非住宅物件提案強化

 

 関東、関西、四国でプレカットを供給するマツシマ林工(徳島市、松島章公社長)は、3工場合計で1万6000坪の供給体制を整えている。供給量は消費増税の駆け込み需要の反動減が影響しており、昨年通期(1~12月)で17万4071坪と前年比で約1割縮小している。同社は減少傾向にある新築住宅市場に危機感を持ち、非住宅へのプレカット提案を強化している

山長商店

 美しく高品質な紀州材で差別化

 

山長商店(和歌山県田辺市、榎本長治社長)は、林業、素材生産、製材、プレカット加工、販売までをグループ会社のモックと協同したグループ一貫供給体制を確立。プレカット供給は月間3000坪で、美しく高品質な紀州材構造材で差別化している。

ナカザワ建販

 幅広いプレカット加工を提供

 

関西大手の小売店、ナカザワ建販(大阪府岸和田市、四本敦緒社長)は、加工物流機能を徹底強化しており、幅広い住宅資材をプレ加工することで施工の高品質化や合理化、工期短縮、職人不足への対応としている。加工納品するのは構造プレカットを軸に羽柄材、合板、大壁パネル、窯業系サイディング、ユニット配管、電線ユニットなど幅広い。構造プレカットに利用するCADデータを元に、あらゆる住宅設計情報を網羅していき、工務店に対して様々なバックアップ体制を構築することを目指している。

 

愛媛プレカット

 国産材比率40%強、地元製材と緊密連携

 

愛媛プレカット(愛媛県松山市、鶴居美香子社長)の15年3月期構造材生産高は5万4000坪で過去最高となった前期に比べ減少となったが、売上高は小幅減にとどまった。さらに、この4~6月売上高見込みは前期比10%増で推移している。「第一の要因は社員が危機感を持って業務に取り組んでくれていること、また新規受注先の獲得が大きい」(鶴居社長)と指摘する。収益面でも生産性向上と効率化に向けた生産システム全般の見直しが奏功、先行投資した設備も非住宅分野の受注に力を発揮し、「目指す方向に手ごたえを感じている」(同)と語る。

オークラプレカットシステム

 国産材活用で先進、COC認証も取得

 

木造軸組プレカット大手であるオークラプレカットシステム(香川県丸亀市、齊藤雅津雄社長)の構造材生産坪数は年間4万5000坪前後、四国地区大手3社の一角を形成し、消費地である香川県下をはじめとした四国域を主体に、一部は中国地区での受注も獲得している。受注の主力は地場ビルダー、工務店だが、全国区大手ビルダーの受注にも対応しており、充実した加工設備、製品品質、きめ細かい営業対応が強みだ。新規事業として木造軸組在来パネルの開発も進めており、加工の付加価値化にも力を入れている。

長谷川萬治商店

 金物工法専用加工機を導入

 

長谷川萬治商店(東京都、長谷川健治社長)の館林事業所(群馬県館林市)は、金物工法専用加工機を導入することを決めた。現在は在来軸組工法プレカット月間8000坪に加え、2×4プレカット・パネルが同2000坪に加え、金物工法が同2200坪の能力になる。在来、2×4工法に加え、金物工法にも対応できることで一段と対応力が向上することになる。

丸岩

 トータルプレカットの進化へ挑戦

 

丸岩(岩手県奥州市、岩淵猛社長)は、在来・金物兼用機(月産4000坪)と金物専用機(月産2000坪)の2ライン構成で、月産約6000坪のプレカット加工を行っている。今年は、プレカット事業開始20周年、現在の地である江刺フロンティアパークに工場を建設して10周年の節目となる。7月1日からは岩淵淳取締役が副社長に就任し会社全体を統括して行く。

ケイ・アール・ケイカキハラ

 羽柄生産能力を大幅拡充

 

 四国地区の木造軸組プレカット大手であるケイ・アール・ケイカキハラ(徳島市、柿原豊茂社長)は昨年初、新鋭羽柄プレカット加工機(宮川工機MPC14)を導入、構造材加工2ライン、羽柄材加工2ラインとなり、全体の生産バランスが改善された。引き続き、現在は外注対応となっている合板等構造用面材加工についての設備拡充も検討していく。木材については、構造材、羽柄材に占める国産材比率が高く、四国産材を主力に地場の製材事業者とも緊密に連携している。

 

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