2016年レビュー③集成材、NZ・チリ材、熱帯材
構造用集成材はタイト感引きずる
梱包用・パレット材は需要不振
2016年の集成材動向は、供給不足とともに、品質に関しての安定が問われた1年だった。振り返れば、15年に集成材市場が低迷していたため、国内の集成材メーカーは生産、輸入量とも抑えた状況で16年が始まった。16年は住宅需要を左右する消費税率の10%への引き上げ延期が6月に決まったこともあり、消費税の引き上げによる住宅の駆け込み需要がどれだけ続くかわからず、慎重な供給体制が続き、1月からの不足状況が完全に払しょくされることがなかった。
国内の集成材需要も、少しずつ変化している。パナホームのように、鉄骨系プレハブ住宅メーカーが木造住宅への取り組みを開始したことで、集成材の消費量が増加。さらに、長期優良住宅への取り組みや住友林業のBF構法のように平角柱を使う木造住宅が増えるなど、集成材の質の再考や集成材のサイズも変化している。
ZEHに対応するため通し柱の使用を減らす代わりに壁の仕様を厚くして120㍉角の柱を採用する企業も増えており、集成材メーカーにおける生産品目の変化も、少しずつだが起きている。
集成材の品質を問う動きも活発だった。15年から一部で問題となった製造された集成材の不良や熊本地震を契機に、住宅の構造材の強化を図るため集成材の強度品質を見直す動きも出ている。この動きは、消費量の多い分譲住宅の分野でも起きており、業界全体に品質の徹底化を図る動きも増えた。
この影響もあってか、日本集成材共済会が発表した同共済会の瑕疵保証対象製品の出荷実績は、16年度で33万1,897㎥(前年度比17.1%増)と、過去最高となった。また発足から16年間の瑕疵保証対象製品の出荷量は343万㎥になっており、同共済会が出荷する日集共済マーク付き集成材の信頼が高く、利用が増加していることがうかがえる結果になった。
集成材メーカーによっては、独自の保証制度を整えており、品質に関して慎重になったことで生産が急激に増えなかったことにつながっている。
国内の集成材メーカーの供給量が限られているならば海外からの入荷でカバーするというのが、通例だった。ただ、近年は世界の木材需要の変化により通例が通らなくなっている。
海外の集成材メーカーでの供給ソースが絞られていることに加え、海外の集成材メーカーにおける日本向けの供給が慎重になっていること、欧州、中国、中東などの日本以外での消費国での木材需要が増加していること、原木不足で日本への供給が安易に増えなかった。この状況は、17年も大きくは変わらないだろう。このことからすれば、日本における集成材の利用を図るうえで、国内外での生産状況を分析し、それに沿った購入を行わなければ、供給の安定性が図れない状況も想定される。それを怠ると、16年のような長期的な供給不足の事態が続くことが今後も起きるだろう。
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