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 No.2103号

2016年レビュー①米加材、ロシア材

米国内需に沸き、輸出意欲減退
ロシア材、製品入荷安定

 2016年の米材丸太入荷量は279万662㎥(前年比8.8%増)と3年ぶりに増加したが、米材製品入荷量は223万5,652㎥(同4.4%減)と3年連続で減少した。新設木造住宅は前年比8.3%増と好調で、丸太は合板向け、製材向けとも増えたが、製材は競合材の供給拡大による市場シェアの縮小、米国内需の拡大に伴う日本向け供給意欲の減退が影響した。

 丸太は米国(前年比2.7%増)、カナダ(同22.2%増)とも増えたが、特にカナダの伸びが大きかった。合板需要の回復と国内挽き製材の調達拡大で、米松丸太が約3割増えたことが背景にある。米国産に比べ径が小さく、節も少ないカナダ産の米松丸太はもともと合板向けが7割近くを占め、製材以上に合板の需給に左右されやすい傾向があった。だが、昨年の大幅増は合板向けの伸びに加え、製材最大手の中国木材がカナダからの調達を開始したことも大きく寄与した。供給シェアは依然米国が7割弱を占めるが、米国政府によるカナダ産針葉樹製材への相殺関税、アンチダンピング関税の実施が決まれば、米国の丸太市況が高騰し、カナダへの傾斜が一段と強まる可能性もある。

 北米産地の中国向けの丸太輸出は米国9億9,726万BM(527万6,502㎥、前年比23.6%増)、カナダ6億9,476万BM(367万5,975㎥、同26.8%増)といずれも大きく伸びた。樹種は米ツガが中心で、日本向け主力の米松はカナダが26%、米国が10%未満(12月実績)と少ないが、中国向けは今年一段の増加が見込まれ、米松の供給にも影響する可能性がある。

 製材は米松41万9,133㎥(同11.6%減)、米ツガ29万3,897㎥(同1.5%減)、米ヒバ6万8,490㎥(同17.2%減)と在来向けの主力樹種が軒並み減少したほか、2×4向けで圧倒的なシェアを持つSPFでさえ134万7,236㎥(同0.2%減)と伸びなかった。

 今年は風向きが一変しそうだ。米国政府によるカナダ産針葉樹製材への相殺関税、アンチダンピング関税の実施が決まれば、米国への供給が滞り、日本や中国への供給圧力は高まる可能性がある。だが、現状は供給が滞るどころか、課税対象となり得る2月以降、税額を織り込んだ価格で買われており、供給構造は大きく変わらないまま北米市況全体が過熱する恐れもある。

 昨年の米国の新設住宅は前年比4.9%増の116万6,400戸と7年連続で増え、今年も増加の見通しだ。新設以上に市場規模の大きいリフォーム需要も年率6%で伸びており、米国の木材需要は今年も拡大が予想されている。

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