「輸入合板時代」終焉か
国産合板供給増で内外産逆転
輸入合板は減少傾向が続いている。16年の年間入荷量は277万650㎥(前年比4.0%減)となった。15年と比較すれば減少幅はわずかだが、14年と比較すると20.6%減と2年間で2割も入荷量が減っている。合板供給量全体も減少しているが、この2年間での減少幅は7.4%と小さく、やはり輸入合板の入荷量そのものが大きく減少しているといえる。
輸入合板の動向に大きな影響を与えたのはこの2年間、ドル円相場の急激な変動が続いたことだろう。14年前半は1㌦100円台で推移していた為替は日米それぞれの中央銀行による金融政策の影響から14年後半から15年年初にかけて約20%も円安が進み、1㌦120円台で推移した。15年はそのままの水準を維持したが、昨年初めに一転して円高に転じた。半年間で今度は20%も円高に振れ、さらに年末には約10%も円安が進んだ。
今年は年初から1㌦110円台前半で推移しているが、世界情勢の動向次第では再び急激な為替の変動が起こりかねないとの不安が、流通だけでなく、メーカー側にも大きな懸念材料となっている。
また、ほぼ同時期にマレーシアでの違法伐採問題で国際的な環境保護団体から輸入合板を利用している日本国内の企業に対する批判が出て、一般紙などの大手メディアからも批判的な論調が見られたことも影響がなかったとは言いがたい。
こうしたなかで、需要を拡大しているのが国産針葉樹合板だ。国の政策的な後押しや為替リスクを少しでも軽減したい需要家の思惑、環境配慮へのアピールなど様々な目的から、これまでの構造用だけではなく非構造用分野でも拡大している。特にフロア台板では、大手フロアメーカーが針葉樹フロア台板の活用を広げている。また、型枠用合板でもホームセンター向けでは針葉樹塗装型枠用が堅調な引き合いを見せている。国産材化以外にも、部材によってはPBやMDFなどの木質ボードに転換されたり、梱包用合板ではプラスチックなど木質系以外の素材に転換したりする動きも出ている。
今年は5月に合法伐採木材等利用促進法(クリーンウッド法)が施行される。まだ詳細な内容は発表されていないが、内容次第では今後の輸入合板の動向に影響するかもしれない。
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