No.2092号
2016年回顧㊤樹種別・分野別
予想外の新築需要に沸く
消費増税10%は先送りに
今年の木材・建材業界最大の出来事は、2017年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを先送りしたことだろう。住宅会社は消費税率引き上げによる駆け込み需要を、消費税率8%への引き上げ時よりは小さいとは見ていたものの、一定量を見込み土地の手当てを進めていた。資材メーカーも駆け込み需要への対応を考え、プレカット会社ではそれに合わせた機械設備の更新も行っていた。
ただ、消費税率引き上げの先送りによる影響は小さく、住宅ローンの低金利や相続税対策としての貸家着工など堅調な需要があり、今年1~9月の累計で71万6,541戸(前年同期比5.8%増)と増加した。年間では95万戸に届きそうな勢いだ。
伊勢志摩サミットで安倍総理は「世界的経済リスク」を勘案して消費税引き上げを先送りした。その後、英国のEU離脱決定、さらには米国大統領選挙でトランプ氏が次期大統領に選出されるなどの出来事が起きた。これは為替が乱高下しただけでなく、トランプ氏はTPPから米国は離脱するとの方針を表明しており、世界が自由貿易から保護主義に向かう大きな節目となりそうだ。
木材関係では今のところ為替変動以外の大きな影響は出ていないが、トランプ大統領就任で米加針葉樹協定にどのような影響が出るのか、TPP発効を前提に国内対策を行ってきた林業関係の補助がどうなるのか目が離せない状況にある。
2016年の業界の動向を樹種別、分野別に振り返る。
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