盆明け市場展望
住宅資材は総じて好調維持
輸入品、円高でどれだけ持ちこたえる?
消費税率10%への引き上げが先送りされたことで、年初期待された駆け込み需要は空振りに終わるかとも見られていたが、住宅市場は年初からの低金利、株高などを背景に比較的順調な需要環境にある。住宅着工は1~6月の累計で46万3,469戸(前年同期比5.2%増)と好調だが、持ち家は11万590戸(同2.1%増)にとどまっている。戸建て分譲住宅は6万4,647戸(同34.5%増)と分譲住宅は消費税引き上げを見込んで土地手当てをしているようで、「秋までは分譲住宅の着工が好調の見通し。秋以降は調整がはいるかもしれない」とプレカット工場では話している。
需要面が比較的な堅調なことから、英国のEU離脱決定で一時期急速に1㌦が100円を割り込みそうな勢いで円高が進み、市況が緩むかとの予想もあったが、一部で不足感があり、やや強含みの品目もある。輸入木材などのコストが低減することで価格が弱含むかとの予想があったが、構造用合板や集成管柱などは不足感があり、国産針葉樹合板は小幅ながら値上がりした。針葉樹構造用合板の場合は秋田プライッドの火災による生産量が減少したことで24㍉厚物合板の実付きが品不足になっている。
需要面では戸建て分譲住宅の着工が好調なことでプレカット工場への発注も6、7月と高水準にある。関東では波はあるもののフル稼働の工場も多く、一部では協力工場への外注や残業対応なども聞かれる。大型工場では資材使用量も多く、合板手当てなどで苦戦するところも出てきている。
Wウッド集成管柱も値上がりこそしていないが、強含みで納期がかかり、Rウッド集成管柱で代替する動きもある。
米松製品などは円高によるコスト低減が見込まれるものの、価格は横ばい。米ヒバ土台の国内挽き大手は5,000円(㎥)の値上げを打ち出した。産地の原木価格の急騰を受けてのものだが、供給量が減少してこないと値上げは難しいといえそうだ。
国産材製品は、今回はやや蚊帳の外の感があり大きな変化は見られない。
例年は年内完工、年度内完工など需要がこれから盛り上げる需要期を迎える。今年は消費税率8%の適用期限となる9月末着工に向けて住宅業界は動いてきたことで、この先需要面ではかえって減少に転じる可能性も指摘される。例年のパターンで仕入れを行っていくと在庫を抱えることにもなりかねず、慎重な姿勢が求められる。
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