ICT林業は切り札になるか
国産材大量生産と効率引き上げに
新たな森林・林業の基本計画が閣議決定され、木材自給率50%にする目標は5年間先送りされて2025年に同50%以上、4,000万㎥にしていく目標が示された。我が国の森林は育成期から利用期を迎え、林業・木材産業を成長産業とし、人口減少が続く中山間地域での雇用創出の受け皿となることが期待されている。地方創生のカギは、森林資源の活用による地方圏での産業育成に懸かっているともいえる。
そのためには国産材の安定供給体制の構築が不可欠で、森林境界の確定、団地集約化、路網整備などを行うことで造林コストを引き下げていくことが求められている。そこに近年目覚ましい発展が進んでいるICT(情報通信技術)を活用したスマート林業という考え方が出てきた。森林法の改正により、林地台帳の整備や不明所有者のいる共有林でも伐採を可能にする仕組みが導入される。この改正には、そのほか伐採後の造林報告制度の新設などが盛り込まれている。
市町村レベルのシステムと林業事業体がシステム連動を始めているところもあり、出材情報や出荷情報などを利用できるようになってきている。
木材生産を効率的に行っていくうえで情報技術の利・活用が重要になっており、森林資源調査への航空レーザー測量や地上レーザー測量、さらにはドローンなどを使ったものやNDVI解析(正規化植生指数)の利用なども研究されている。測量データは森林生長や伐採などで常に変化していくもので、情報更新の精度や森林生長をモデル化していく取り組みなども始まっている。
特集では林野庁、総務省の施策と日本森林技術協会、住友林業、ウッドインフォ、パスコ、パシフィックコンサルタンツなどの取り組むと北海道下川町、岡山県真庭市、京都府京丹波町と九州各地の取り組みを紹介した。
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