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 No.2069号

決算特集③建材問屋ビッグ5

住宅資材販売で過当競争
リフォーム、非住宅、施工で活路

大手建材問屋の2016年3月期決算は、会社間で明暗が分かれた。住宅資材販売は、消費税増税後の需要の反動減からの回復が遅れるなかで、戸建て販売が好調だったすてきナイスグループ(すてきナイス)と住設関連商品や家庭用品販売などの生活事業が回復したOCHIホールディングス(OCHI・HD)が増収増益となった。一方、売上総利益率改善に取り組んだジューテックホールディングス(ジューテックHD)は減収増益となり、JKホールディングス(JKHD)とクワザワは減収減益で当期を終えた。

 建材大手問屋5社(JKKD、すてきナイス、ジューテックHD、クワザワ、OCHI・HD)の売上高合計額は8,915億2,700万円(同0.7%減)とわずかに前期を下回り、2年連続で8,000億円台にとどまった。しかし、経常利益は95億7,100万円(同6.4%増)と2年ぶりに増加に転じた。各社で利益率を高める取り組みを積極的に進めるなど、体質改善の効果が出始めている。ただし、建材流通の設備投資ともいえる安定した人材採用やM&Aに伴う人員増加などの人件費は大手建材問屋では増加傾向にある。

 17年3月期業績予想では、4社が増収増益を見込んでいる。JKHDは、今期からの中期経営計画で最終年の19年3月期の売上高を3,600億円とし、3年間で約10%の増収を計画している。すてきナイスは今期業績を売上高2,450億円(同2.7%増)、経常利益16億円(同40.5%増)と計画段階から消費再増税前の駆け込み需要を想定せずに見通しを立てた。ジューテックHDは、重点施策であるエネルギー商材や中古住宅流通・リフォーム市場の対応、非住宅分野の木構造プレカット事業などで、売上高1,590億円(同3.1%増)、経常利益14億円(同16.2%)を予想している。クワザワは栃木県内の土木建築資材卸売・小売業者と仮設資材リース業者の2社を4月に完全子会社化し、売上高900億円(同7.3%増)、経常利益14億5,000万円(同13.1%増)を見込んでいる。OCHI・HDは、省エネ住宅など成長分野での販売強化し、売上高889億円(同5.2%増)、経常利益19億円(同19.1%増)を計画している。

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