素材供給者の燃料用事業
バイオマス需要増加で商機
素材供給ととも付加価値追求
FIT施行前でも未利用材(林地残材)の活用に取り組む動きは一部に見られたが、補助金(直接及び設備補助など間接含む)が投入されない限り素材生産コストをカバーすることは難しかったのが現実だ。このため間伐で出る細材や曲がり材はよほど搬出に都合が良い林地以外、ほぼ森林内に伐り捨てられていたが、FITでこの資源に注目が集まった。
未利用材は証明書があればkWh当たり32円(小規模は40円)で電力買い取り対象になり、先行したバイオマス発電所近くの森林は極端に言えば伐り捨て間伐がなくなり、発電所稼働前後で森林内の景色が様変わりしている。国内では順次計画していた発電所が稼働しており、未利用材需要も連動して増加した。九州など稼働済み発電所が多い地域では未利用材の供給量が追い付かない状況さえ生んでおり、こういった需要純増に対して各事業者、各地域で新たな投資や取り組みを加速している。
例えば素材生産業者は新規投資で高性能林業機械を導入し、生産効率そのものを引き上げるほか、移動式チッパーを購入し、これまで搬出できなかったドンコロや枝葉等まで資源化している。もちろん山土場にチッパーを入れるスペースが確保しづらい場合もある。大型トラックが入るような林道が整備済みで、麓のチップ工場まで輸送してチップ化した方が低コストの場合もあるが、こういった取り組みは供給者が資源(未利用)に歩み寄る、いわば能動的な活動で集荷・供給に励む動きにもなっている。
一方で、土場を整備して素材生産者や森林組合等が資源を持ち込むような動きもある。素材供給側にすると、従来はロットが小さくて採算面と手間を考えると敬遠したが、中間土場のような持ち込みスペースを整備(検量や重機等含む)して資源が集まる場所を設けることで流通に乗りづらかった未利用材を集める取り組みも出ている。
各地での取り組みとして、丸和林業グループ、徳信、南富良野町森林組合、イワクラ、堀川林業、那須町森林組合、北日本索道、温海町森林組合、宮澤木材産業、正垣木材、コウエイ、今治加工、邑智郡森林組合、飯森木材、南栄、大分県北部流域林業推進協議会、伊万里木材市場、佐伯広域森林組合などを紹介した。
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