No.2057号
2015年レビュー②欧州材
ラミナ需要伸びず
間柱は供給タイト長引く
2015年の欧州産針葉樹製材の入荷量は、238万4,000㎥で前年比4.6%減となった。米加産針葉樹製材(226万8,000㎥、前年比0.6%減)を抑えて外材製材入荷では首位になった。しかし需要面では振るわなかった。H・シュバイクホファーの間柱供給の減少が、欧州産針葉樹製材の入荷を下押しする一因だったとはいえ、15年の新設住宅着工戸数は90万9,000戸で前年比1.9%増、木造は50万4,000戸で同3.0%増だったことを考えれば、入荷を伸ばしきれなかった手応えだ。
09年のリーマン・ショック以降でも、回復軌道に乗った11年(249万3,000㎥)、12年(245万2,000㎥)水準には届かなかった。間柱の供給減に加え構造用集成材市況の低迷で、ラミナ需要の不振が続いた。ラミナは産地価格が低収益水準で、欧州産地の購買意欲も高まらなかった。
一方、月別の入荷量には安定感があった。欧州産地は、交渉から入荷までの調達リードタイムが3カ月と他材に比べて長い。これを踏まえて入荷を見れば、14年末の交渉が反映する15年1~3月、H・シュバイクホファーが間柱の供給を大幅に削減した5月以降積みの入荷と、欧州産地の夏期休暇による供給減の影響が出る10月には月間20万㎥に届かなかったが、入荷ピッチはおおむね20万㎥前後となった。ラミナをはじめ製材需要は振るわなかったが、日本の集成材メーカーを中心にした安定購買が反映した格好だ。2015年の欧州材の輸入状況をレビューした。
記事ランキング
- 鉄道枕木 クレオソート生産中止の余波
- 関東の国産材製品 杉グリン材が品薄で強含み
- ジャパン断熱 営業拠点6ヵ所に拡充
- 岡本銘木店 経済性・加工性含めた設計支援強化
- JFE商事 バイオマス燃料取引で過大請求
- 東北の国産材原木市況 秋田で杉中目が続伸
- 王子ホールディングス ブラジルの植林会社を買収
- トップスペック フィンガージョインターの取扱い開始
- 5月の米国新設住宅着工 着工戸数、20年5月以降で最少に
- nojimoku 鉄媒染による黒い桧の壁材

日刊木材新聞社 木造社屋紹介動画