No.2044号
2015年回顧㊤樹種別・産業別で振り返るこの1年
新築需要に力強さなし
国産材下級材が高値張り付き
2015年は14年4月に消費税率を8%に引き上げたことによる住宅着工の反動減から、穏やかに住宅需要は回復基調に乗ってきた1年だった。
木材市況は14年末からの低調な需要環境のなかで針葉樹構造用合板などが弱含みでスタート、6月末には650円まで値下がりしたものの、合板メーカー各社の減産で市況を反転させ、夏場以降に東西のメーカーで減産の足並みが揃いなんとか市況を維持できた。
一方、国産材原木は九州、中国など西日本を中心にバイオマス発電向けの需要が台頭し、C,D材の価格が上昇し、特に九州は輸出用の需要も拡大したことで低質材の丸太が高止まりする減少が起こった。バイオマス発電所の新規稼働は広がっており、この動きは来年東日本にも波及してきそうだ。バイオマス発電の建設が増え、低質材の価格居所が高止まりすることは林家の収入増につながり、伐採意欲が高まるとの見方もあるが、合板や製材工場の丸太仕入れにも影響し、製品価格は上がらないで丸太だけ値上がりすると、合板、製材工場の経営を圧迫することにつながる。
問題は低質材の価格が上がってきても素材生産量が増加してこないことにある。特に16年度予算では間伐に対する補助制度の見直しで搬出間伐がしずらくなるとの指摘もあり、注視していく必要がある。
2015年の木材・建材業界を樹種別、産業別に振り返った。
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