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 No.2043号

16年3月中間決算㊦建材商社・大手建材問屋

穏やかに需要持ち直す
期初不振で低収益

伊藤忠建材、三井住商建材、双日建材、丸紅建材、トーヨーマテリアの建材商社5社と住友林業木材建材事業本部の16年3月期中間決算は2期続けて収益が落ち込んだ。14年4月の消費税率引き上げによる需要の反動減が同年6月から始まり、約1年の低迷期を余儀なくされた。この結果、今期第1・四半期は当然だが、第2・四半期の半分近くまでこの停頓状態が続いた。円安に伴う輸入コスト高が市場に反映しなかったことや、市況商品では需給均衡を保つことができず、販売単価が落ち込み売上高が伸びなかったこともある。

 新設住宅着工戸数は3月から前年水準を上回り、9月まで7カ月続けてプラス状態を維持している。いずれは、こうした住宅着工の回復が資材需要の回復につながるものと期待されていた。8月後半から合板需給が均衡し価格も回復してきたうえ、資材の動きのバロメーターともなるプレカット需要も堅実に回復しているため、先行き需要低迷という観測は消え、下半期は穏やかながら収益が全体的に回復軌道に向かうものと見られるが、どこまで力強さが得られるかは不透明だ。

当期は需要回復の力強さが追い風として得られず、低率ながらも前年同期を上回ることができなかった。さらに、6社集計の売上高経常利益率は0.68%で前期の0.74%から0.06㌽減少しており、前年同期はまだ消費増税の駆け込み余韻があったが当期はそれすらも無く、絶対的な利益額の少なさを物語っている。

一方、当期は大掛かりな貸し倒れが発生せず、実態需要を反映した決算となった。時間を掛けて対処してきた関連会社の負債整理も一段落した。

 特集では他に、JKホールディングス、すてきナイスグループ、ジューテック、クワザワ、OCHIホールディングス、山大、ポラテックプレカット事業、テクノウッドワークス、大日本木材防腐、兼松日産農林、セブン工業と大手住宅会社の決算を掲載した。

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