ホームセンターで売る国産材製品
木材販売から付加価値の拡充期
ホームセンター(HC)資材館などで国産材製品の取り扱いが増えている。HCでの木材製品販売自体はかねてから取り組まれているが、定番である北米産SPF、欧州産Wウッド、南半球のラジアタ松などとともに、国産材針葉樹製品売り場が増える傾向にある。国産材製品製造会社のなかにもHC向け出荷を主軸に置くところも出ている。国産材の強みは為替等の外的経済要因の影響を受けにくいこと、生産者とHCが比較的近距離にありHCが最優先で要求するジャストインタイムデリバリーに呼応しやすいこと、サイズ要求に対する弾力的な対応力、さらに縁台や棚といった最終加工製品供給が可能なこともHCにとっては魅力と映る。建築用だけでなく、土木産業用製品でも国産材比重が高まっている。
HC向け木材製品納材で最も重要なことは絶対的な安定供給だ。HCも木材製品系ベンダーも大量在庫を持ちたがらず、その分、国産材製材側にきめ細かい納材を求める。徹底した品質管理も重要だ。特段、良材である必要はないが、HCを訪れる不特定多数の購買者は少しでも外観がきれいな製品を買おうとするため、節が多い製品、丸味や反り・曲がりのきつい製品はいつまでも棚に売れ残りデッドストック化する。価格の安定性も必須条項だ。店頭価格が頻繁に変更されるようではHCを訪れる顧客の困惑と不信を招いてしまう。HCによっては特売の際に人的協力、目玉商品提供を要求することもあるが、こうした対応は主にベンダーが行う。
こうした収益を手にするには、到着時間指定厳守をはじめとした絶対的な安定供給性、要求サイズへの柔軟対応、納材価格安定性、品質のばらつき排除といったHC側の要請に応える必要がある。サイズのうち、材長についてはHC店舗で店頭陳列しやすく、購買者も運びやすい2㍍長が圧倒的だ。HCを活用する大工、工務店もマンション内装などのリフォーム現場では2㍍長程度でないと搬入できない。また、表面仕上げではプレーナー・モルダー加工はもとより面取りを求めるケースもあり、付帯加工能力の有無が重要だ。各地の製材工場の取り組みを紹介した。
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