小規模バイオマス発電は広がるか
売電以外に熱需要必要
経済産業省は4月から、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)の木質バイオマス発電で新たな区分を設けた。新区分は発電量が2,000kW未満であり、なおかつ燃料に未利用材を使用する場合、1kWh当たり40円(調達期間20年、税別)という高額で買い取る内容だ。バイオマス発電の調達価格としては最高値になる。これまでのバイオマス発電の買取価格は燃料由来のみで差を設けたが、今年度から初めて燃料由来と発電規模で調達価格を設定することになった。
林野庁は規模別の木質バイオマス発電ニーズを説明、都道府県に対する聞き取り調査によると、計33件のニーズがあり、そのうち約3分の1となる10件が出力500kW以下だった。陸の孤島と呼ばれるような山脈に囲まれた地域や、バイオマス重複地域、離島などの条件不利地で小規模なものが取り組みやすいとの回答を得ている。
エネルギー基本計画には小規模・高効率のバイオマス施設の推進が明記されており、燃料に未利用材を用いる小規模バイオマス発電を推進すると、未利用材の需要創出がさらに進むこと、発電出力5,000kW以上と比べて燃料調達が容易になること、雇用増加など地域活性化につながることなどを考慮し、別区分化を決定した。
別区分化されてから日が浅いこともあり、現在、小規模区分で稼働している施設は少ない。資源エネルギー庁が発表しているFITの小規模バイオマス発電設備認定(5月末時点)では、新規で3件(総出力2,345kW)にとどまる。同庁は企業名を公表していないが、気仙沼地域エネルギー開発(宮城県)で出力800kW、猪苗代湖近くのエコ村(福島県)で45kW、そして小規模バイオマスの別区分化のモデルケースとなった いいづなお山第2発電所(長野県)で1,500kWと見られる。
特集では、エジソンパワーの茨城県大子町、竹を用いた藤崎電気、ウッドエナジー協同組合、エア・ウォーターの長野県安曇野、かぶちゃん電略、山形城南木材市場、Jファーム苫小牧などの事例も取り上げた。
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