No.2033号
木質ボード特集㊦MDF、OSB編
円安転嫁遅れ、採算低迷
輸入品は入荷抑制強いられる
2015年1~7月の日本向け輸入MDFは300万600㎥で前年同月比13.3%減と、大幅に減少した。14年8月末からの円安が直撃し、特に末端需要家にはまり込んでいない新興の産地メーカーが価格転嫁できずに振り落とされて大きく供給量を落としている。ここ数年で供給量を伸ばしてきた韓国勢やオーストラリア産が前年比で3~4割近くも減少。しかしこれだけ減っても市場にはまだタイト感は生じていない。円安と国内市況不振が重なって供給減を余儀なくされている。
一方、OSBは15年1~7月の入荷量は14万5,540㎥で前年同期比8.4%減となった。14年末からの円安進行に加え、年初から国産針葉樹合板の下げ相場が続いて価格競争力を失ったことが影響した。特に構造用で圧倒的なシェアを確保してきた北米産が前年同期比で20%以上も減少する一方で、欧州勢が倍増に近い伸びを示している。そのため全体の供給減は1割にも満たないが、その供給構造は大きく様変わりしつつある。
欧州勢は大手賃貸住宅メーカー向けの構造用でも数量を伸ばすと同時に、梱包用でも価格競争力や品質で攻勢をかける。
MDFでは、ホクシン、大建工業グループ、住友林業、ノダ、エヌ・アンド・イー、ウッドワンを中心に、HBなどではニチハ、アキモクボード、OSBではエインズワース、ウェアハウザー、クロノプライ、クロノスパン、フリッツ・エガーなどの状況をまとめた。
記事ランキング
- 国内で不正によるJAS取り消し① JAS法違反やJAS印の不適切利用
- 2023年木材統計 国産材比率9割迫る
- 国産針葉樹合板、製・販共に値上げへ ルート筋では1200円の攻防 小売りルートでの安値払拭目指す
- ジャパン建材 8月22日、23日にフェア開催 資産価値高める家づくり学ぶ場に
- 林野庁国有林野部 立木の搬出期限を1年延長
- 山長商店 構造設計事務所設立し構造計算業務を開始
- 田村森林組合が新工場を整備 26年春の試験稼働目指す
- 空知単板工業 素材生産会社をグループ化
- 丸信木材工業 チップ工場の設備を総入れ替え
- 新宮商行 木材保護塗料の販売強化
![](https://jfpj.jp/wp/wp-content/themes/twentyseventeen_child/images/pickup.jpg)
日刊木材新聞社 木造社屋紹介動画