決算特集②建材、住設メーカー
持ち家低迷が業績に影
海外展開や非住宅向けが下支え
木材、住設機器メーカーの15年3月期は、減収減益となった会社が増加した。前期は消費増税前の駆け込み需要で好決算に沸いたが、当期は一転して増税後の大幅な受注減で各メーカーの業績が悪化した。
しかし、国内の住宅資材関連需要が落ち込むなか、海外展開を着実に進めているアイカ工業やニホンフラッシュは売上高、利益ともに過去最高を更新した。東リは非住宅用内装材の販売が伸び、4期連続で増収増益となった。建材・住宅機器、機械・刃物メーカー35社の業績は、18社が減収減益となり、増収減益は9社、減収増益が1社、増収増益は7社になった。
当期は、14年度の新設住宅着工戸数が88万470戸(前年度比10.8%減)と5年ぶりに前年を割り込み、厳しい需要環境が続いた。特に住宅市場は、相続税対策による賃貸住宅向け資材は比較的堅調に推移したが、新築戸建て住宅需要の依存度の高いメーカーほど業績悪化を招いた。そのため、中古住宅・リフォーム市場や高齢者施設、商業施設などの非住宅市場での取り組みを強化する動きが目立った。
だが、非住宅市場では商品によって需要の伸びに温度差が生じた。首都圏を中心とした再開発事業や郊外の商業施設、物流倉庫などの需要を享受して、石膏ボードや軽量気泡コンクリート(ALC)、アルミサッシなどは出荷量を伸ばした。その半面、窯業系サイディングは、非住宅向けの需要開拓を進めているが、見込みより伸び代が少なかった。
なかでもチヨダウーテは、石膏ボードの販売が住宅関連で過半を占めているために減収となったが、前期同様に売上高300億円台を維持した。旭化成は、建材事業でALC「ヘーベル」が堅調に販売量を伸ばしたが、高性能フェノールフォーム断熱材「ネオマフォーム」の販売量が減少し、建材の売上高が520億円(前年比5.5%減)となった。サッシメーカーでは、ビルやマンション向けを主体とする不二サッシが増収減益。ビルの新築向けは順調だったが、ビル改装向けが伸び悩んだ。ニチハは公共施設や商業施設など非住宅市場の開拓を進めたが、消費増税後の駆け込み需要の反動減が予想以上に大きく、窯業系外装事業は減収で営業利益も減益となった。
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