木造建築の新たな世界
耐火・準耐火構造
改正建築基準法が6月1日から施行される。木造3階建て校舎を準耐火構造で建設できるようになり、延べ床面積3,000㎡を超える木造建築でも、防火壁等を設けた場合は3,000㎡面積制限を受けなくなるなど、木造建築の世界が大きく変わる可能性がある。
今回の改正の木造部分では、11~13年度に実施された木造校舎の実大火災実験に基づく耐火関係の見直しが行われた。木造3階建て校舎を準耐火構造で建設できるようにするため、3回にわたり実大火災実験を行い、木造校舎だけでなく幅広く木造の防・耐火の基準を見直すことにつながった。
昨年はシェルターが木造で初の2時間耐火認定を取得した。日本ツーバイフォー建築協会と日本木造住宅産業協会も2時間耐火の認定取得に向けた取り組みを始めており、複数の2時間耐火構造の認定が今後出そろっていくことが見込まれる。
他方では昨年8月に1時間耐火の外壁の仕様が告示化され、木造耐火も大臣認定から告示に変わっていくかもしれない。防火構造でもかつては通則認定だったものから、個別の大臣認定へ、そして採用実績の多い仕様については告示化に向けた検討が行われている。個別の大臣認定は認定取得費用が掛かるうえに、細かな仕様変更でも認定を取り直す必要があり、既得の大臣認定の権益を守るか、今後の運用を考えて告示化の道を選ぶかは大臣認定取得事業者の意向がかかわってくる。
1時間耐火構造については日本ツーバイフォー建築協会と日本木造住宅産業協会が石膏ボード被覆によるメンブレン構造で認定を取り、双方で3,500件以上の実績を持つ。鋼材内蔵の燃え止まり型の日本集成材工業協同組合、集成材の間にモルタル層を設けた燃え止まり型の竹中工務店の燃エンウッド、木材にインサイジング処理を行い薬剤注入したFRウッド、荷重支持部の周りを石膏ボードで被覆したうえに木材を張るシェルターのクールウッドなど企業が認定取得したものがある。
木造耐火構造を巡る最近の動向を取りまとめた
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