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 No.2010号

2014年レビュー③欧州材2010

需給調整に手間取る
間柱筆頭に逆ザヤ拡大

14年の欧州産針葉樹製材の入荷量は、249万9,700㎥で前年比21.9%減となった。2年連続で米加製材の入荷量(236万2,000㎥、前年比17.6%減)を上回り、外材の製材産地で首となった。日本の需要不振を受け、入荷調整が比較的早く進んだ米加製材に対し、欧州産針葉樹製材は供給調整に手間取った。 欧州産針葉樹製材の入荷量は、前年比の減少幅では米加製材を超え、入荷調整は機能したかに見える。だが、13年は入荷量が過去最高で減少余地が大きかったこと、さらに、毎回のことながら船積みから入荷までの3カ月近い配送期間が足かせとなり、調整力には即効性はなく、市場の思惑ほどには供給調整は進まなかった。

 欧州産針葉樹製材は調達リードタイムが長く、日本の需要動向と実際の入荷量とのずれが生じる。これを踏まえ前後年の平均を見れば、リーマン・ショック後の09~10年が約215万㎥、10~11年が約238万㎥、11~12年が約246万㎥、12~13年が約282万㎥、13~14年が約284万㎥となり、14年はやはり13年の大量入荷を調整しきれなかったといえる。

 13年の好況から一転、間柱や構造用集成材市況は振るわず、ラミナや小割材を中心に14年の上半期には既に入荷抑制に向けた動きが出ていた。1月の26万6,000㎥をピークに入荷減に転じていたが、それでも5月までは平均25万㎥、さらに8月までは平均22万㎥と、20万㎥水準ピッチの入荷が続いた。

 本格的に入荷が減少するのは9月からで、入荷ピッチは16万㎥水準となった。リーマン・ショック後の09年をやや上回るものの、低水準の入荷ピッチだった。商社や問屋をはじめ、サプライヤー側も5月の大型連休明け以降の市場の停滞感をいち早く捉え、供給調整に本腰を入れていたにもかかわらず、これが目に見えて反映したのはやはり約3カ月後で、他材に比べ調達リードタイムが長い欧州産針葉樹製材の特徴が浮き彫りとなった。

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