電子版ログイン

※会員の方はこちらから

 No.2008号

2014年レビュー①米加材、ロシア材、熱帯材

需要不足で製品入荷低迷
輸入コスト高で苦しむ

2014年は、消費税8%への引き上げ、年末の総選挙、円安急伸、消費税10%課税の1年半延期、原油安など予期せぬ出来事が次々と起こり、日本の木材市場もこれらの外的経済要因に翻弄された。国内市場は、消費税引き上げ前の駆け込み需要で潤う前半と、反動減に苦しむ後半で明暗が分かれたが、市場の回復を狙って木材輸入を増やした流通業者は夏場以降、増える在庫と落ちる相場に苦しめられた。

 14年の輸入木材入荷量は住宅着工に連動して減少した。製材入荷量で見ると、欧州材は前年比21.9%減、米加材は同17.7%減、ロシア材は同14.6%減となり、いずれも2桁の減少となった。

消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動減は年4月から現れ始めた。夏場には需要が回復すると見込んで輸入業者が入荷を増やしたが引き合いは増えず、5月には中国木材がドライビームの値下げを発表、8月には米松KD小角が問屋売り価格で5万円(㎥)を割り込んだ。そのため、産地も日本市場に合わせて日本向けドル価を調整したが、やっと秋口にコストが販価に追いついたと思った矢先、9月からの円安進行に見舞われた。

9月には為替が6年ぶりに105円に下落し、12月末には瞬間的に121円まで下がる場面も。円安もゆっくり進めば対処が可能だったろうが、短期間にここまで大幅に下落したのでは対応のしようもないと流通業者が悲鳴を上げる事態となった。

輸入コストの急上昇に販価の引き上げが追い付かず、逆ザヤとなる可能性の高い材を手当てはできないとして、第4・四半期の契約は低調なものとなり、京浜港の在庫は過去最低水準まで落ち込んだ。

米加材、ロシア材、熱帯材の14年の動向を振り返った。

記事ランキング

日刊木材新聞社 木造社屋紹介動画