No.2005号
国産材輸出
新たな需要先に育つか
問われる国内需給との整合性
14年の木材輸出は金額で178億3,400万円(前年比45.0%増)と大きく伸びた。キノコなど特用林産物が40億8,700万円(同17.1%増)で、林産物の合計は219億2,100万円(同38.8%増)となった。農林水産省では2020年に林産物の輸出額を250億円に拡大する方針を策定しており、計画よりも早期に目標を達成できそうな勢いだ。
木材輸出が増加したのは、円安で価格競争力が高まり、大量消費国である中国の需要にマッチした丸太輸出が増えたためだ。丸太輸出は全体で52万1,000㎥(同96.9%増)と倍増し、なかでも中国向けが31万2,000㎥(同140.9%増)に増えた。韓国向けも9万8,000㎥(同97.1%増)と倍増、台湾向けは10万7,000㎥(同31.0%増)にとどまった。製材品も全体で6万7,000㎥(同13.9%増)と増えたものの、丸太の10分の1の規模にとどまっている。
中国向けの丸太輸出が増えたのは、年間5,000万㎥を超える大量の木材輸入を行うなかで、価格さえ合えば受け入れる巨大な市場があるから。用途は土留め板などの土木用資材といった低質のもので、多様な用途に振り分けられる丸太が中心になる。阪和興業、日本製紙木材、王子木材緑化、大陸貿易、住友林業、瀬崎林業などの商社の動きや、各地の国産材輸出への取り組み状況を取材した。
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