No.2001号
2015年国産材素材需給展望
バイオマス需要がついに顕在化
素材供給力が問われる
林野庁の木材需給会議によると、14年の国産材素材需給は製材用が前年比2.2%増、合板用が同2.9%増といずれも増え、チップ用を含む合計でも5年連続で拡大する見込みだ。住宅着工が減少したなかでの拡大は国産材志向の力強さを感じさせるが、内実はそれほど順調でないのは素材市況を見れば明らかだ。
バイオマス燃料需要の拡大はチップ用丸太の価格高騰を呼び込み、製紙向けはもとより、合板用丸太価格をも引き上げている。昨年に限れば製材用は価格で競合する場面はなかったものの、B~C材の底上げで相場の下限値が決定付けられ、国産材産地で梅雨時期から夏場にかけてしばしば見られた超安値(8,000~9,000円)は過去のものになりつつある。
バイオマス発電向けと木材輸出という低質材の需要が拡大してきたことで、西日本では低質材丸太の価格が底上げされてきた。山元に利益として還元されていくことで、森林経営への意欲が向上するかというとそう単純ではない。拡大する低質材需要に対応した素材生産が必要だが、マンパワーが不足し素材生産が急激に拡大する見通しは少ない。
今年の各地域の国産材素材需給を展望した。
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