2013年回顧㊦キーワードで振り返るこの1年
新築回復でつかの間の盛況
職人不足で需要平準化に作用
今年は消費増税が正式に表明された年だった。消費税は来年4月から現行税率から3%上乗せされて8%へ引き上がることになった。政府は増税後の反動減を抑えるため、住宅ローン減税の延長と拡充、すまい給付金制度の創設で住宅取得支援を打ち出している。ただ、まだ正式決定していないが、消費税は15年10月からさらに2%増の10%へ上昇する可能性も残っている。
消費増税前の駆け込み需要が5月連休前後から顕在化し、住宅関連業界は慌ただしくなった。新設住宅着工戸数は年間90万戸台後半をうかがう状況。プレカ「ット工場も年央から稼働率を引き上げた。中堅・小手を含めて繁忙を極めた年で、後半はどこもフル稼働となった。ただし、職人不足の慢性化が建築現場の遅れを誘い、資材消化のピッチを緩めた。
非住宅となる公共建築物も学校、幼稚園、高齢者施設などで木造を採用する動きが年々広がっている。
木材利用ポイントは予算規模が410億円という大規模なもので注目度が高い施策となった。11月末時点でポイント予算枠の消化は5%強という状況になっている。ただし、補正予算で新たに150億円を確保し、14年9月末着工分まで期間延長が決まっている。
木質バイオマス発電は今年も新設計画が相次いだ。FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)で未利用材なら32円という買い取り価格の高さもあり、木材のカスケード利用、未利用材の受け皿として森林・林業活性化の切り札にもなり得そうだ。
木材関連は、輸入材が円安で輸入コスト高に見舞われたほか、国産材は年後半の物不足が深刻になった。為替は年初比較で、米ドルに対して約16%、ユーロで約17%安くなっており、昨年前半の最安値からは対ドルで30%以上の円安になった。輸入材は欧州材やSPF材が年初に産地価格が大幅に値上がりしたが、国内需要の増加で輸入量がまとまり、年央から国内在庫に過剰感が出た。産地価格は高原状態で、ここに円安が加わったことで輸入コストも高騰したが、国内価格への転嫁は常に遅れた。欧州産KD間柱は逆ザヤが常態化していたが、11月になってやっと国内市況が引き締まったが、需給バランスの調整には手間取った。
国産材は原木価格が昨年過去最安値まで暴落したが、今年は一転し、特に秋口からの高騰で需給がひっ迫した。需要急増に対して供給が間に合わず、需給急変に対応力がない国産材の弱点が露呈した。
13年をキーワードで振り返る。
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