ホームセンターの顧客囲い込み術
プロ需要を取り込み、売上拡大へ
職人不足で多能工が増加、ホームセンターに資材求める
第3の建築・住宅資材流通と言われていたホームセンターは、現在、大工・工務店や水道工事店、電気工事店、塗装工事店などの専門業者から、一般消費者までが建築・住宅資材や工具、DIY材料等の購入先として定着している。
しかし、近年では建築・住宅資材流通は複雑化し、問屋や販売店、工務店等からなる既存の木建ルート、メーカーから直接住宅会社やビルダー等に流れる直需ルート、さらに管材・水工店や電材、ガス、サッシ、タイルなど専門業ルート、これらに加えて家電量販店による住宅資材販売も積極的に行われている。また、LIXILが展開するプロユーザー限定の住宅建材専門店「建デポプロ」なども台頭している。
建築・住宅資材販売の競争は激しさを増すなかで、ホームセンターはプロ顧客向けの建築・住宅資材販売を再度、強化する動きが目立ってきた。この背景には、東日本大震災後には、震災特需で現物在庫を持っているという存在感を発揮し、大幅に売り上げを伸ばした。だが、震災後1年が過ぎると家庭日用品などは反動減で、売り上げが前年を下回った。しかし、建築・住宅資材だけが前年を上回る販売を続けているからだ。
復旧・復興需要を契機に建築・住宅資材需要が増加したことやリフォーム需要が着実に伸びてきているため、ホームセンターを利用する工事業者も増えている。また、建築資材を小売する販売店が後継者不足などで、商売から撤退することも少なくないようだ。さらに震災後から顕著になった職人不足で、1人の職方が複数の職種を兼ねるなど多能工が増えているため、木材や建材、金物、電材、塗料などの商品を数多く揃え、小口購入が可能なホームセンターに資材を求めに来るケースが非常に増えているのが現状だ。
特集では、LIXILビバ、コメリ、ビーバートザン、カーマ、エンチョー、コーナン商事、ロイヤルホームセンターなどを取材した。
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