国産材輸出
円安で再び活気付く
原木から内装材、住宅まで
国産材の丸太輸出が急増している。今年1~5月の累計は7万㎥で前年同期比43.6%増となっている。丸太輸出の45%が台湾向けで、中国、韓国も増加している。輸出増の最大の要因は為替が円安に振れたことで価格競争力が高まってきたことにある。
製材品の輸出は逆に1~5月の累計で2万1,000㎥(同29.9%減)にとどまっており、主な輸出先の中国、フィリピンがともに減少している。
日本からの木材輸出が注目されるようになった要因としては、中国の木材市場が経済発展とともに拡大していったことが大きい。新たな市場を求めていた国産材の仕向先としての位置付けや、それ以前は安価な労働力を求めて、原料を輸出して製品を輸入するブーメラン輸出という形態での国産材輸出が始まった。しかし、中国の住宅需要をターゲットにしていくためには、中国の木構造規範に樹種が記載されることが必要と分かり、日本木材輸出振興協会(安藤直人会長)が中心になって、樹種追加への取り組みを行ってきた。
林産物輸出について農林水産省は「攻めの農林水産業」をかかげ、2020年に250億円の目標額を設定した。この数字には乾しいたけなども含まれているが、12年の輸出額は124億円で、うち木材は93億円と全体の75%を占める。20年の250億円の内訳は示されていないが、木材では中国、韓国を重点国として挙げている。これまで中国では杉、桧が、構造材として木構造設計規範に明記されていないことで販売できなかったが、その改正が早ければ今年度中にも行われる見込みで、農林省は日本式工法住宅の普及を通じた国産材の輸出を促進したい意向だ。
特集では、各地の国産材輸出の取組みを取り上げた。
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