No.1928号
決算特集⑤木材専門商社
増益目立つも売上高で苦戦
国産材素材単価下落が一因
木材を主力とする専門商社の13年3月期は大きな収益の落差がなく、概ね安定した業績となった。前期に引き続き住宅関連資材需要が伸びたものの、木材や合板などの販売単価の値下がりなどで、販売量は増加したが収益には連動せず、活気付く場面はほとんどなかった。ただ、過去の収益実績から見ると業績の水準はいずれも高く、リーマン・ショック後の経済環境を反映した結果となっている。今期は「アベノミクス」による景気浮揚策の効果があり、全体に相場関連商品が上昇している。新設住宅着工戸数も4月までで前年同期比7.2%の増加で、昨年以上に資材需要の盛り上がりが期待される。来年4月からの消費税率8%への引き上げを前にした駆け込み需要がこれに上乗せされるので、住宅着工ベースでは10%を超える資材需要が見込まれる。価格面では一部で天井を打った木質資材も出始めているが、前期のような円高下押し相場はなく、比較的高い居所で価格水準を保つとすれば、会社全体の収益性は前期以上の成果を残せるのではないかとの見通しが強い。
特集では、日本製紙木材、王子木材緑化、江間忠グループ、住友林業フォレストサービス、物林、阪和興業木材部など木材専門商社の決算を取り上げた。また、木建・水工店などの独自性性の高い専門商社、建材問屋の業績も掲載した。
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