決算特集①住宅会社・木材会社
新築回復基調で好決算
資材高と労務費増をどう切り抜ける
大手住宅会社の13年3月期の決算は概ね増収増益基調だ。12年度の住宅着工は89万3,002戸(前年度比6.2%増)で、持ち家31万6,532戸(同3.8%増)、貸家32万891戸(同10.7%増)、戸建て分譲12万4,536戸(同5.6%増)など好調だった。住宅市場が堅調なことから大手を中心に住宅会社全般が業績を伸ばした。住宅会社では、期中に消費税率引き上げによる駆け込み需要はなかったとの見方が大半だが、昨年9月以降、前年同月比では8カ月連続での増加が続いている。
大手住宅会社の場合、東日本大震災以来、住宅の販売単価は上昇傾向にある。太陽光発電装置やエネファームなど省エネ機器の装着率が高まっており、環境対応設備が1棟当たりの販売価格引き上げに寄与している。
一方、戸建て分譲住宅の着工は年間100万戸以上の住宅着工を維持していた06年以来の高水準となった。戸建て分譲住宅の大手、パワービルダーは先行き住宅市場の縮小を想定し、飯田グループの経営統合など新たな戦略を模索している。大手ハウスメーカーが環境設備機器などの搭載率を高め、1棟当たりの単価が増加傾向にある一方で、パワービルダーは逆に1棟当たりの単価が下落傾向にあり利益幅も縮小している。
14年3月期も、アベノミクスによる景気浮揚感、株高などに加え、消費税率引き上げの駆け込み需要が今後台頭することが見込まれることで需要環境は良好だが、資材価格の値上がりや、職人不足による労務費の上昇などのコスト上昇要因がある。さらに金利の先高観が出ているが、住宅ローンの貸出金利が上昇してくると市場にブレーキが掛かる恐れもあり、楽観視はできない状況になってくる可能性もある。
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