大手住宅会社のコスト対応
資材、工賃高で収益圧迫
狭間で悩む資材流通業
為替が4年8カ月ぶりに1㌦102円台まで戻し、昨年12月からの円安傾向は100円の壁もあっさりと突き破った。輸入木材のコストは為替分だけでも対ドルで約3割は違ってきている。さらに北米製材市況の高騰や構造用集成材の需給バランスひっ迫などの産地、需給状況もあり、仕入れコストの値上がりから、最終需要者である住宅会社への価格転嫁が急務になっている。ただ、市場は買い手市場の傾向がいまだに強く、プレカット工場が大手住宅会社向けに販売する価格への転嫁が遅れている。
日刊木材新聞が行ったアンケートでは、2×4工法住宅が北米の製材市況の高騰に円安が加わり、大手住宅会社のなかでも、三井ホームが2×4ランバーのコストで4割増、東急ホームズも資材価格の上昇が3割高と、特に大きく影響を受けていることが分かった。輸入住宅のセルコホームは現状10%高で収まっているが、「1㌦100円が限界。主力の宮城県では職人不足が深刻で施工コスト高も避けられない」と現在の状況を示している。
パワービルダーは、概ね10%程度までのコストアップとなっているところが多く、東栄住宅、タクトホーム、桧家ホールディングスなどは概ね10%高、住宅FCを展開するLIXIL住宅研究所は20%高で粗利の低下を指摘する。
プレカット工場から大手住宅会社への値上げ要請はポラテックが口火を切り、全国に波及していったが、「4月から一部で値上げが通っている程度で採算は悪化している」、「一般流通の仕事が減り、大手ビルダーの仕事が中心になると単価が取れない」などの声がプレカット工場から聞かれる。Rウッド集成平角、集成管柱、WウッドKD・積層間柱などの木材製品と合板関係の値上がりは急激で、4月中旬くらいまでは物不足で値上がり、5月に入って品薄感は解消してきたが、コストアップはこれからが本格的になる。
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