2012年レビュー⑤集成材、熱帯材
構造用の市場シェア拡大
南洋材、合板メーカ―減少で丸太需要減
12年の集成材供給量は、構造用は国産と輸入ともに増加し、造作用は前年並みで需要縮小に歯止めがかかった形となった。
構造用集成材は、12年の国内生産量が06年に次ぐ過去2番目の高水準となり、輸入品も前年を上回る入荷となった。小・中断面は通年で市況低迷が続き、欧州産ラミナ集成材を中心に製品価格が伸び悩んだ。これを反映するように、国内生産額や入荷金額は前年に比べ減額となった。
市況低迷にあっても、生産量や入荷量は供給力が前年より増えたことを示しており、集成材需要が拡大している現状が浮かび上がった。構造用集成材の市場規模は、内外産で220万㎥に達する勢いだ。
造作用集成材は需要縮小が続いていたが、12年は前年並みの生産量となった。生産額は前年並みだが、販価が続落した構造用に相反し、わずかばかりだが増加した。住宅の洋風化の流れを覆すことはでいないものの、根強い需要がありこれが需要を下支えしている。
さらに、公共建築物等木材利用促進法を契機とする木造建築物需要の高まりとともに、木材の新たな見せ方、木材の持つ意匠性に注目が集まっていることも事実で、こうした細かな需要を汲み取っていく必要が、造作用集成材需要の道を開くことともなってきそうだ。
一方、12年中盤からは大工不足が表面化し、手間のかかる和室がさらに敬遠され、造作用需要の縮小を促すことにならないかが懸念される。
第2部では、熱帯材の動向をまとめた。
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