No.1913号
2012年レビュー③欧州材
ユーロ安で競争力発揮
欧州域内需要低迷で輸出意欲高まる
12年の欧州産針葉樹製材の入荷量は244万4,000㎥(前年比1.7%減)となった。構造用集成材をはじめ欧州産製材の市況低迷が日本の購買意欲を削いだが、こうしたマイナス要因がありながらも健闘した。欧州産地の主力市場の欧州域内に加え、北アフリカや中東で需要が振るわず、欧州産地が一様に出荷量を優先させたことが入荷のけん引材料となった。、ユーロ建て輸出価格が低水準だったことにユーロ安が重なり、日本の製品市場では11年に引き続き、圧倒的な価格優位性を発揮した。
12年は上半期と下半期で入荷環境が大きく異なった。上半期は11年に続き欧州産地の販売量確保の姿勢が強く、主導権は日本側が握った。だが下半期になると、産地の減産効果が現れ始めて供給量は減少。相反するように、日本で欧州産製材の品薄感が強まり、交渉の主導権が産地に移った。13年はこの流れが当面続きそうで、日本側は入荷量の確保が優先課題となってくる。
12年の欧州材を取り巻く情勢を振り返る。
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