No.1909号
国内チップ工場のいま
製紙用一辺倒から多様化なるか
木質バイオマス需要に熱い視線
2011年の木材チップ供給量は1,742万5,000BD㌧(絶乾重量㌧、前年比0.6%減)で、リーマン・ショック後に年間2,000万BD㌧を下回ってから低水準で推移している。我が国のチップ需給において、需要の太宗を占めるのが製紙用で11年の国産パルプ原料として消費された木材チップ量は1,627万BD㌧(前年比4.2%減)で減少したが、木材チップ供給量の9割以上を占めている。12年のパルプ材消費量は1,559万BD㌧で一段減少したため、昨年のチップ供給量も落ち込むことが予想されている。
現在、木材チップ需要は製紙用が中心だが、バイオマス資源の活用から燃料用に期待感が集まっている。昨年7月施行の再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)で、林地残材等の未利用材などが高値で買い取られることが引き金となった。実際に、FITの設備認定で稼働しているのはグリーン発電会津(福島県)と、RPSから認定移行したミツウロコ岩国発電所(山口県)の2カ所にとどまるが、年間2,000万㎥が発生するといわれる林地残材の受け皿として注目度だけは全国的に高まっている。ただ、各地でFIT制度の基で稼動してくる発電所は14年以降にまとまってくると見込まれている。チップ供給の大手の動向をまとめた。
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