No.1891号
国産材集成材
輸入製品・ラミナに勝てるか
国産材加工事業の真価問われる
ここ数年、国産材集成材に対する住宅会社の需要が高まっている。それは、地域材を使った住宅への補助制度に対応し、さらに構造材としての性能を兼ね合わせたものとして一定のニーズがあるからだ。ただ、価格は外材集成材との競合にさらされ、ラミナコストの高い国産材集成材は収益性の面などから安定した生産には至っていない。特に横架材に国産材を使いたいという要望は多く、性能、供給力などから、カラ松構造用集成材や桧・杉等の国産材異樹種構造用集成材などに対する要望がある。ただ、メーカーが限定されるため全国展開する住宅会社では使いにくいという問題がある。
安定供給に向けての問題は、国産材ラミナの製造コストが高く、商品として確立されていないため、自前でラミナ工場を立ち上げなければならないことだ。そのため国産材集成材大手は、自社もしくはグループ会社、協同組合など専門のラミナ製材工場を持つ必要があった。
国産材構造用集成材は、大きく分けて従来の公共物件対応の大断面、住宅用の管柱、土台、平角などがある。大断面は地域材指定などで個別対応になる。柱は大手住宅メーカー向けの桧構造用集成材、大手ビルダーなどが使用する杉構造用集成材、土台は大手向けの桧、ビルダー向けのカラ松乾式注入構造用集成材、平角は桧・杉の異樹種集成材、米松・杉の異樹種集成材などが主になっている。
国産材集成材生産に取り組むメーカ―や需要者の考えなどをまとめた。
記事ランキング
- 都築木材 セブン工業のTOB成立
- 米松小割・小角製品 輸入・国内挽きとも強含む
- 大建工業 施工力生かし公共・商業建築市場に注力
- 北関東の国産材丸太 年明けも高止まり
- 茨城木材相互市場 「ムービングハウス」事業進出
- ウッドテクノス 横架材ラインを更新
- ザイエンス 保存処理木材の国産材比率向上
- 庄司製材所 最上工場に無人化ライン導入へ
- 竹中工務店・カシュ―・長瀬産業・ナガセケミカル 木目がクリアに見える準不燃材料
- 新宮商行 銭函工場に5軸NC加工機導入
日刊木材新聞社 木造社屋紹介動画