木質ボード㊦PB、OSB他
需要期控えすでに品不足
原料調達、先行きに警戒感
パーティクルボード(PB)は現在、製品供給の不足が顕著なほか、中・長期的にも原料確保の懸念が出ている。国産PBの在庫率は、6月から0.8カ月で一段減少しており、需要期に向かってさらにタイト感が強まる恐れがある。メーカーにとって不採算品目を中心にPB製品の供給量が上がらず、特に置き床は全国的にタイト感が強まっている。需要ピークとなる11~12月に、さらに不足感が強まる恐れはある。国内ボード関連業界は原料需給で警戒感を強めている。7月から始まった再生可能エネルギー固定化価格買い取り制度であり、低廉な原料を必要とするPBメーカーにとり、建設資材廃棄物の調達価格が13円/kWhは脅威である。工場によってはバイオマス燃料としての熱源確保にも影響してくるものだが、制度開始で即座に原料チップ需給が変貌したということはなく、チップ価格や調達数量の増減に注意を払っている段階だ。
OSBは震災後に一気に輸入量が増加した。昨年入荷量は約30万㎥で前年比47.5%増で、カナダ産、ドイツ産、ポーランド産という上位3国がいずれも1.5倍に増えた。市場が求めた時期と、入荷のタイミングが合わずに不良在庫化し、年度末に乱売合戦を招いていたが、現在は落ち着いている。今年上半期はドイツ産が引き続き高水準入荷だが、カナダ産は前年比35%ほど減少しており、メーカーによっては一昨年水準よりやや増加といった状況に戻っている。現在、OSBは為替メリットで価格競争力が抜群で、日本のパネル製品のなかで最安値を付ける。国産針葉樹合板と比較して約15%安(3×10判)は大きな武器だが、他製品と同じく、既存需要にとどまらず厚物利用など新規需要をいかに取り込んでいくかが今後の鍵になっている。
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