No.1885号
木質ボード㊤MDF、HB、IB
再び内外産で100万㎥に
震災契機に需給バランスが崩れる
MDFは、07年に内外産で100万㎥を超えるという供給過多に陥った。その後は在庫過剰で需給が低迷し、08年9月にリーマン・ショックが発生し、資金繰りに苦しんだマンションディベロッパーやゼネコンが新設や仕掛かり物件の建設を見合わせたことで内装需要も激減し、MDF不況に追い打ちをかけられた。昨年は東日本大震災でセイホクMDF工場が被災(その後、事業再開を断念)し、他メーカーは一転して増産体制で供給量を引き上げた。国産MDFの在庫量は昨年2月が1.6カ月分だったが、その後減少していき、10月にはダイケンサラワク(マレーシア)の生産設備で損傷事故があり、一時的な生産停止が重なったことで、11月の在庫量は0.9カ月分まで減少した。例年、繊維板関連の需要期は秋口からで、国内メーカーもこれ以上の増産が難しくなり、市中の不足感とともに、製品価格の値上がりにつながった経緯がある。
震災を契機に木質ボード業界は需給に大きな変化を来たしてきた。MDF、ハードボード(HB)、インシュレーションボード(IB)など木質ボード業界の最近の状況をレポートした。
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