No.1875号
変わる製品流通 製品市場
市売りの灯は消えない
魅力ある市場づくりに工夫凝らす
木材市売の衰退が危惧されて久しい。住宅様式の変化や構造材のプレカット化は使用材料や流通経路を変え、住宅市場の縮小とともに市売の商流を細らせ続けてきた。変化に抗うことはできず、市売がかつての隆盛を取り戻すことは難しいが、市売が必要とされるマーケットが存在する限り、その灯が消えることはない。
問題は魅力ある市売を存続させるために何ができるかだ。不動産事業は経営の安定化に重要な役割を果たすが、本業のテコ入れにはまずならない。プレカット事業は商流の維持にある程度寄与しているが、ビルダーなどへの直接営業はおのずと制限され、新規の需要を取り込みにくいというジレンマもある。
それでも、木材の流通ルートを生かして建材の売り上げを伸ばしたり、邸別アッセンブルでプレカット流通に存在感を高めたりしている市場もあり、必ずしも防戦一方ではない。特に国産材や地域材の流通にはプレカット会社にはない強みがあり、国交省の地域型住宅ブランド化事業でも中心的な役割を担おうとしている市場は多い。市場が行動を起こす際、必ず直面するのは買い方との関係性の問題で、これを乗り越えない限り新しい可能性は開けない。一方、買い方支援や工務店支援、消費者PRなどは取り組みやすい半面、形骸化しやすい傾向にあるが、これと向き合わずに市売の再生がないのも確かだ。各地の製品市場の取り組みを紹介する。
記事ランキング
- 輸入南洋材合板 現物価格引き上げの動き加速
- ウエストフレーザー 来春めどにハイレベル工場OSB生産停止
- フェンス材不振も内需に食い込む 中国向け杉丸太、輸出価格回復
- 文部科学省 木造校舎の構造設計標準で改正検討
- YKK AP Low-Eガラスの新製造棟稼働
- トーセン デカーレ矢板に小割製材機導入
- 関東の国産材製品 杉柱角が代替需要で品薄感
- 欧州議会 EUDR実施、再度一年延期へ
- アテノオト スプルースと同程度の音響特性と評価
- タカマツハウス 1億円超の建売販売比率50%に
日刊木材新聞社 木造社屋紹介動画

