2011年レビュー⑤集成材、熱帯材
内外産構造用集成材で200万㎥
熱帯産はインド次第
集成材供給、2年連続で増加
11年の構造用集成材の供給量は、国産・輸入ともに増加した。ラミナや完製品で依存率が高い欧州産地が、ユーロ安の進行に加え、産地価格が伸び悩み、日本市場での価格競争力が一層高まったことが、これを後押しした。
構造用集成材は、小・中断面で原料ラミナの欧州依存をさらに深めた。一方、国産材の使用比率は伸び悩んだ。だが、こうした原料の使用比率とは相反し、国産材集成材の生産を差別化戦略とみなし、力を注ぐ動きが表面化してきた。
これに呼応するように、11年は国産材需要の底堅さが分かった。小断面は、欧州材が圧倒的な価格競争力で市場を席巻するなか、競合する杉集成管柱は、通年で1,800円(プレカット工場着、本)前後の値動きで、Wウッド集成管柱に比べ200円(本)を超す割高となった。にもかかわらず、市場では目立った需要転換の動きはなかった。
熱帯材、マレーシア産高騰で日本向け減少
11年の熱帯材(南洋材、アフリカ材)丸太は51万4,400㎥(前年比7.8%減)で一段減少し、南洋材製材品(フリー板含む)は64万400㎥(同9.2%増)で増加した。南洋材丸太は主力のマレーシア・サラワク産が前年比30%ほど減少したことが響いた。震災後の丸太高騰で主要需要先である合板メーカーに高値が嫌われたほか、年後半からの輸入合板の過剰在庫で国内南洋材合板工場の丸太需要が低迷した。
南洋材丸太入荷量は51万㎥(同8.1%減)で、アフリカ材丸太は3,500㎥(同74.1%増)だが、もはやアフリカ材は色物製材用などの限られた需要にとどまる。一方の南洋材丸太だが、過去最低は09年の42万㎥で、当時はリーマン・ショックで新設住宅着工戸数が78万戸台で需要が減少し、国産針葉樹合板が過去最安値となって南洋材合板もツレ安を強いられ、結果的に丸太需要が落ち込んだ。10年にいったん、小幅増加に転じたものの、昨年入荷は再び減少し、50万㎥前後をで停滞している。
今回は、集成材と熱帯材の11年を振り返った。
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