No.1854号
2012年展望
景気対策、復興で需要は堅調
円高で内外材価格混乱
2012年の市場展望を行う上で最も注目されるのは消費税の動向だろう。政府は6日に税と社会保障の一体改革の素案を発表し、消費税率を14年4月1日から8%、15年10月1日から10%に引き上げるとの方針を示した。消費税率引き上げが決まれば、様々な分野での駆け込み需要が発生する。
2つ目は、為替問題だ。欧州の金融危機に端を発した円高は、11年ぶりの円高ユーロ安の水準になり、年明け後は100円割れで推移している。ドルも一時75円台になり、年明けからも70円台後半で推移している。これが欧州材などを中心にした外材の価格競争力を高め、特にユーロ安は国産材製品と競合する柱や間柱といった分野で圧倒的な競争力を発揮することが予想される。折しも、木材自給率50%の目標に向けて国産材の大型製材・加工工場が稼働を始めた矢先の出来事となった。国産材製材は製品価格が外材との競合で上値を抑えられ、一方で素材価格は大規模な需要者が増加したことで上昇傾向にあり、苦戦が予想される。大手国産材製材業者のなかには減産体制を敷くところも出てきており、今年は国産材関係の苦戦が予想される。
円高が長期化すれば輸出産業は低迷し、生産の海外移転の加速など、国内需要にとってはマイナス要因が強まりそうだ。
需要面では政策的な支援が継続され、復興需要も立ち上がってくることで期待が出来るが、価格面では非常に厳しい状況が予想される2012年を展望した。
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