震災後の木質ボード
OSB、MDF需要が急増
構造用代替えで引き合う
3月11日に東日本大震災が発生した。津波被害で木質ボード関連には、セイホクのMDF、PB工場(宮城県石巻市)が被災したほか、宮古ボード工業工場(岩手県宮古市)が被害に遭った。震災直後、合板を筆頭にしてパネル需給は一気にひっ迫したが、MDF、PBは被災工場分を国内メーカーの操業率引き上げと輸入品で補完している。震災後の国産MDF生産量は月間平均3万357㎥(前年同期比5,146㎥増)、輸入MDFの入荷量は同4万2,222㎥(同6,912㎥)で、内外産で前年から約1万2,000㎥の増加となる。セイホクのMDF工場生産量は月間4,000㎥(10年9月27日号参照)だが、震災前からの需給増加を織り込んでも数値上は補完したことになる。PBも国産は月間平均8万1,030㎥(同7,092㎥増)で、国産の増加分でセイホクPB工場の生産量(8,571㎥、0.7換算)を補いつつある。
急増したのはOSBだ。針葉樹合板の代替で構造用合板なら東南アジア、北米、中国へ引き合いが集中し、同じ構造用のOSBも北米と欧州産で注文がまとまった。入荷が早かったのはカナダ産OSBで、欧州産は航海日数が約2カ月は必要なこともあって出遅れた。OSBの今年1~7月輸入量は18万5,610㎥で前年同期比65.5%の大幅増となったが、当初想定されていた国産針葉樹合板の代替である12㍉厚3×6判は現在、荷余り感が解消できない。一方で、長尺合板(3×8、9、10判)の代替では根強く引き合っており、構造用PB、構造用MDFも壁用の需要は息が長くなっている。その他の木質ボードでは、インシュレーションボード(IB)が仮設住宅や復興需要の畳床向けで需給が伸びているが、ハードボード(HB)は円高が響き、梱包や自動車向けで苦戦が目立つ。
国内のMDF、PB、HB、IBメーカーと日本向けのOSB、MDFなどの海外メーカーの動向をまとめた。
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