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 No.1834号

東日本大震災から何を学んだか

「想定外」を想定する力
リスク管理の大切さを検証する

東日本大震災から5カ月が経ち、津波による壊滅的な被害を受けた合板工場も一部では復旧し、製品出荷ができるところまで回復してきた。津波などで空前の被害をもたらした今回の震災の影響は岩手、宮城、福島、茨城、千葉などの広域にわたり被害をもたらし、福島第1原発の事故はいまだ収拾のめども立たず、エネルギー供給面では全国的に影響が広がっている。

 震災から5カ月は、「まだ災害の真っただ中で、教訓云々を言える時期ではない」(福島の製材大手)というように、まだ復旧の途上にあって、この5カ月を振り返る時期でないという考え方もあり、日々の対応で精一杯というのが本音かもしれない。他方で仙台周辺のように復興需要で新築住宅の市場が活気づいているところもあり、地域による復旧・復興の温度差が大きいのも今回の震災の特徴といえるのではないか。石巻合板工業の野田四郎社長が、全従業員を集めて「自分たちで工場を復旧する。力を貸してくれ」と語り、従業員の士気を高めたように、非常時だからこそのリーダーシップも求められる。経営陣と従業員の気持ちが離れていては、復旧の力は削がれてしまう。いつまでに復旧するんだという明確な目標を掲げて、一致協力してこそ、復旧が可能になったケースもあるだろう。主力製品の生産を停止せざるを得なくなった工場では、先の見通しを示さないと、市場は代替品に取って変わられ、復旧した後に市場がないという事態も考えられる。復旧は正に時間との戦いでもあり、電気や水道などの社会インフラの整備状況も不透明ななかで事業再開のめどをつけなくてはならないという厳しい判断をメーカー経営者は求められた。

セイホク・西北プライウッド、ノダ、石巻合板工業、山大、中国木材、日本製紙グループ、ナイス、TOTO、マグ・イゾベール、キクモク、江戸川木材工業・江戸川ウッドテック、協和木材、テクノウッドワークス、住友林業、北洲、セルコホーム、大建工業、永大産業、JKホールディングス、ザイエンス、エス・バイ・エル、ポラスグループ、丸宇木材市売、前川林業、積水ハウスを掲載した。

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