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 No.2073号

横たわる物流問題

住宅資材はどう運ぶ

物流業界の人材不足が深刻だ。大きな事故が起こるたびに規制が強化され拘束時間の制限や休憩時間の確保など、もともとが人材不足のなかでより多くの人材の確保が求められている。また、インターネット販売の普及に伴い小口宅配業務が拡大、その対応策として女性ドライバーの活用と小型車の利用拡大、さらには重量物、長尺材の扱い制限など木材業界にとっては、物流問題が事業のネックになってきている。

 住宅資材物流は、長距離を結ぶ幹線物流と中継センターからの小口配送に大別される。長距離幹線物流は大手が混載便を請けづらくなり、混載便は請けても納期が確定できなかったり、料金が高額になるケースが増えている。

 大手住宅会社では、住友林業やミサワホームが関連物流会社を設け、自社の関連資材を中心に他社の仕事も請けていくことで一定の仕事量を確保し、住宅市場が縮小していくなかでも地方部までを含めて対応できる体制を構築している。

 プレカット工場でもトラックの確保が困難になってきている。運送会社に対する規制が強化されることで中小、零細の物流会社の撤退、縮小などもあり、トラックの効率的な運用が求められている。プレカット工場の多くは都市郊外に立地し、住宅建設現場への邸別配送を行うために4㌧車などで現場配送を行っている。道路事情などで1日2往復することが難しく、11㌧車で混載して、中継センターで4㌧車に積み替える方法がとられるようになってきた。

 都市近郊に自社プレカット工場を持つ住宅会社などでは、自社で工事の工程を組み、それに合わせてプレカット加工から現場配送までを行うことで、加工規模は小さくても住宅会社にとっては利便性の高い工場として機能を発揮するケースもある。

 物流業界でも大手のセンコーはJIGSというGPSを使った運行管理システムを開発し、トラックの運行状況を正確に把握することで積み込みや配送時のロスをなくす提案を行っている。

 また、鋼材輸送会社のネットワークを使ったメタル便という運送会社のネットワークを活用して、長距離混載便とチャーター便の中間的なサービスを行うところもでてきた。納期は確定でき、価格も低めに抑えながら、長尺材の小口配送などに対応している。4㌧平ボディのトラックによる混載便で木材のような長くて配送しづらいものを配送できるので、木材業者からの依頼も増えているという。

 特集では物流大手の日新、センコー、木材関係では東京木材埠頭、すてきナイスグループ、東信木材センター、建材関係では合板大手の日新グループ、加藤ベニヤ、ウッディワールドのざき、ナカザワ建販などの取り組みを紹介した。

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