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 No.2070号

決算特集④建材商社5社+住友林業木材建材事業本部

住林、伊藤忠2強時代
総合力で他社追いつけず

 伊藤忠建材(東京都、柴田敏晶社長)、三井住商建材(同、植木啓之社長)、双日建材(同、大西哲也社長)、丸紅建材(同、鈴木直宏社長)、トーヨーマテリア(同、田中元浩社長)の建材商社5社と住友林業木材建材事業本部(福田晃久取締役常務執行役員本部長)の2016年3月期業績は建材商社4社が減収減益となり、増収となった伊藤忠建材、住友林業でさえ増加は小幅にとどまるなど、2期続けて足踏み状態を強いられた1年であった。新設住宅着工戸数は前年比1.9%増と微増となったように、上半期は消費税率引き上げ後の着工反動減が建材資材需要にも連動し、同期の収益が低迷した。下半期は回復基調に向かったが、円安から円高に振れる為替の変化で輸入資材関連のコスト負担を市場に転嫁しきれず、利益を確保するどころか、価格変化の激しい合板などで、利益率を大きく圧縮されることとなった。

 6社合計の売上高は1兆1,611億4,100万円で前期比0.4%減とほぼ前期並みの規模を保った。建材商社5社の売上高は8,070億6,600万円で同0.4%減と6社集計と同率だが、経常利益が43億7,500万円(同8.9%減)、当期利益は28億8,600万円(同16.1%減)と、利益面での落ち込みが大きくなっている。商社全体で1兆円強の売り上げ規模を誇りながらも、1%台の経常利益率を記録したのは近年では過去2回しかなく、当期でも平均値を上回ったのは住友林業(0.96%)と伊藤忠建材(0.87%)の2社のみで、全般的に資金需要に対する収益効果率が低いという評価は変わらない。

 売上高がほぼ前期並みだが、利益が連動しなかったのは為替などの外的要因に対するリスクヘッジ機能の効果がうまく表れない会社もあった。14年は輸入木材、とりわけ欧州材や合板が収益の足を引っ張ったが、当期は欧州材需給に大幅なブレがなくなり、安定収益を確保した半面、輸入合板は国内産合板と連動しない価格を展開し、円安から円高移行に際して柔軟な商品販売ができなかったことが大きい。

 建材関連は将来のゼロエネルギー住宅にかかわる分野で堅実な動きを見せ、メーカー、流通が織り交ざり、積極的な営業活動が続いている。ただ、新築住宅、特に持ち家建築の頭打ちにより、資材営業のあり方が本格的に問われる時期が来ている

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