No.2026号
新鋭工場を見る
省エネ、省人、低騒音がキーワード
「量産化」から「多機能化」へ
我が国の木材加工業も中国木材日向工場のように将来的には年間50万㎥を目指す規模まで拡大してきた。国内の木材加工業に占める素材比率では国産材が7割を超え、今日の国内木材加工業のコメの飯は国産材と言っても過言ではない状態になってきた。今年は構造用LVLのファーストプライウッド、合板工場の北上プライウッド、ノダ富士川工場など国産材を素材として使用する大型工場が完成し、稼働を始めた。
これまでの国内の新鋭場とは異なる工場をイメージしたものも登場してきた。大型化、大量生産というより、少量多品種生産への柔軟な対応やゼロエミッションなど環境対応、省人化、省力化、エネルギー自給など切り口はさまざまな工場だ。国産材製材工場は大型化で海外の製材工場と生産性を競うことになる。一昔前までは国産材で10万㎥を超える製材工場は数社に限られていた。大型化するためには安定した素材の調達が必然的に求められ、そのため製材工場は自ら森林を購入し、素材生産まで踏み込む必要があった。製材端材、バーク、プレーナー屑などを余すことなく使えるようにすることで歩留まりを高め、これらを元にしたバイオマス発電で自社工場を賄い、売電する。木材乾燥の熱源とする。木材資源を余すことなく使い切ることで生産性を高めていく。これができるのが大型工場だ。
中国木材日向工場、ソヤノウッドパーク、遠野興産、YKKAP東北工場、北上プライウッド、ノダ富士川事業所、関電朝来木質バイオマス発電などを取り上げた。
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