2014年レビュー④商社
3大製品(合板、米、欧州材)で収益低下
消費税駆け込み反動で読み誤る
2014年は4月の消費増税前の駆け込み需要が過大に評価され、その後の需給調整を誤り製品(合板・製材品)で損失を計上することになった。丸太は、米材を除き輸入量が少なく損益の大きな落差も見られないが、販売先も限られ今後は本船を駆使した貿易業務そのものがさらに成り立ちにくくなっている。
この10年間の主要木材の輸入量を見ても丸太は3分の1、製品は3分の2近くに減少している。丸太の減少は、産地の動向が強く作用し国内企業の操業継続が困難になったためだ。米材丸太が全体の75%を占めるが、これも中国木材が米材丸太輸入の41%(推定128万㎥)相当を占めるなど、商社が素材分野で介在する余地がさらに小さくなっている。ロシア材と南洋材を加えても50万㎥に至らず、省力化して双方にとって手堅い商売をする以外にないし、残念ながら将来の展望は見いだしにくい。
このため、商社は製品の取り扱いを軸とせざるを得なくなる。合板、欧州材、米加材、構造用集成材、MDF、PB・OSBほかでざっくり1,000万㎥のボリュームをどう取り込むかだ。合板をはじめとする木質パネルが460万㎥、製材・構造用集成材で557万㎥あるが、いずれの分野もコストに連動した市場価格形成がうまくできない商品だ。最近の傾向を見ると、硬直化した輸出価格を形成する輸入合板の場合、国産合板との価格の隔たりが顕著で、市場でのすみ分けが進みつつある。
また、商社は国産材の輸出に力を入れつつある。素材集荷と連携した会社がその強みを発揮している。製品(製材、合板)はまだ先だ。中国を軸とした3国間貿易も高い成長率を示していた時期から見ると勢いがなくなっている。
住友林業、伊藤忠商事、双日、双日建材、住友商事、三井住商建材、丸紅建材、阪和興業、三井物産、物林、大陸貿易、日本製紙木材、王子木材緑化、天龍木材、瀬崎林業、ナイス、ジャパン建材、丸美産業、ユアサ木材などを取り上げた。
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