2014年レビュー②合板、木質ボード
国産占有率、4年ぶりの50%台回復
輸入合板減少し合板比率過去最低に
2014年の木質パネル(合板、木質ボード)供給量は933万9,309㎥(前年比1.8%減)と小幅減少した。住宅着工数が89万戸(同9.0%減)が減少したことが影響した。円安で木質ボード(繊維板、削片板)、合板ともに輸入品の減少が目立ち、パネルの国産占有率は50.6%と3年連続で増加した。国産合板は前年並みを維持したが、輸入合板が前年比4.2%減となって合板占有率は67.4%へ下落し、過去最低となった。
MDFは13年に内外産で100万㎥を超えたが、昨年はいずれも減少した。マンション内装用需要は比較的堅調に推移したが、フロア等の建材向けがメーカーの減産で伸び悩んだ。輸入品は1㌦100円台でも製品転嫁に苦戦したが、さらに円安続伸となって入荷コストと販売価格がなかなか連動していない。
パーティクルボード(PB)は国産が前年比3.1%増、輸入が同3.9%減で明暗を分けた。国内メーカーは東日本大震災以降、フル生産体制に入ったが、その後、被災したセイホクPB工場が復帰し、JIS認証取り消しとなった大倉工業も生産量を増やしてきたことで供給量がまとまった。ただ、輸入南洋材合板の代替で、複合フロアのPB基材採用が増えたことも生産増加の一要因として働いた。
一方、昨年の合板構成比で輸入は55.4%、国産が44.6%となり、輸入が前年比1.1㌽減少した。輸入は東日本大震災直後に入荷量が急増して11年は60%を占めたが、12年が58%、13年が57%とじわじわと減少。合板メーカーは植林材資源の拡充に取り組んでいるが、天然材が高値推移したことで昨年の産地合板価格は高止まった。日本が求める価格で供給しづらく、円安が追い打ちを掛けて輸入元の収益が低下して数量も伸び悩んだ。
国産合板は前年比0.4%減の微減。針葉樹合板は261万7,185㎥(同0.4%減)で、国産合板の93.3%を占めて圧倒的だ。針葉樹合板の92.5%は構造用で、引き続き住宅等の下地需要に依存した。国産針葉樹合板は、今春から新設合板工場として北上プライウッド(岩手県)とノダ富士川事業所(静岡県)が稼働するため、本格稼働後は2工場で月間1万㎥程度の生産量が上乗せされる。生産能力を生かすためには引き続き住宅1棟当たりの合板使用量増加や中層大規模建築物向け、型枠やフロア台板等の新規需要開拓が課題となっている。
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