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 No.1976号

決算特集⑤木材専門商社

木材需要増え収益大幅改善
国産材への取り組みも進む

木質を事業の中軸に据える企業の14年3月期業績はおおむね好成績となった。とりわけ、日本製紙木材、王子木材緑化、物林、住友林業フォレストサービス、江間忠木材5社合計の売上高は2,177億7,400万円で前期比18.2%増加し、経常利益も36億7,900万円で同25.5%増加するなど、記録を取り始めて以降の最高を記録した。消費税率引き上げ前の駆け込み需要も要因としてあるが新設住宅着工が98万戸と前年比10万戸増加し、リーマン・ショックからの景気立ち直りを一気に後押しする環境が生まれたことで、木材を由来とする資材関連が一気に収益を伸ばした。住友林業フォレストサービスは国産材専門商社と位置付けても良いが、他社は輸入木材を軸に建材や資材、そして国産材へと業容の裾野を広げてきている。需要は盛り上がり、当然のように売上高は前期比10%以上増加したが、利益面では必ずしも連動しない会社もあった。

売上高が増加したことで損益分岐点が下がり利益が増えたことや、外材関連がコスト高で時に相場の変化にうまく乗り切れず赤字となるなど、総じて収益が低下し“豊作貧乏”ともいえた。国産材販売(内外取引)への事業の取り組みが強まるとともにバイオマス関連分野への取り組みが一段と強まったことなどが特徴として挙げられる。

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