2013年レビュー⑥建材・住設機器
リーマン・ショック前水準に回復
製造コスト上昇も転嫁不十分
今回、17年ぶりに消費税率が引き上げられて、駆け込み需要が発生したものの、前回の1997年4月のように石膏ボードや外装材、断熱材が大幅に欠品することはなかった。13年は、需要面は堅調に推移したが、住宅や建設業界の職人不足は前年から改善されず、繁忙期になると現場作業の大幅な遅れが目立った。加えて、燃料高騰による運送料金の上昇、運転手減少や消費税増税前の駆け込みによる通販需要増なども重なり車両不足が深刻化するなど、住宅資材関連業界でも配車の手配が難航した。さらに、今年2月に関東・甲信を襲った大雪の影響で、キッチン生産を行っているLIXILの深谷工場が生産停止した。その注文分などが他メーカーに流れ、キッチン全体の納期が遅れるなどの事態に発展した。
13年の建材・住設の商品別需給動向は、いずれも前年を上回る伸びを示した。木質建材では、複合フロアの出荷が2,042万4,100坪(前年比11.1%増)となった。新設住宅着工戸数の増加が反映されたものだが、主力基材である南洋材合板の産地価格高と円安が重なり、製造コスト高に陥った。フロアメーカー各社は、価格転嫁を図ったが、長期にわたる価格契約などに阻まれて浸透には至らなかった。
石膏ボードは、13年の生産量が5億1,539万9,000㎡(同4.7%増)、出荷量は5億1,639㎡(同5.4%)と需給ともに5年ぶりの5億㎡台に回復した。戸建て住宅やアパート向けなどの需要増加に加えて、大型商業施設や物流倉庫、工場などの建築向けの需要の増加も寄与した。
断熱材では、グラスウールの13年出荷量が22万7,000㌧(同6.3%増)と過去10年間で最も高い水準となった。
建材・住宅設備などの13年を振り返った。
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