No.1946号
国産材集成材、現状と問題点
課題はラミナの安定確保
公共建築物等木材利用促進法に加え、木材利用ポイント制度の開始など木材、特に国産材活用の機運が高まっている。集成材生産においても同様で、補助制度などに背を押される需要先行型の流れで、徐々に国産材集成材が需給を広げている。ただし、ラミナ供給をはじめ国産材集成材の生産・供給システムの未成熟さはまだ拭えない。集成材原料の樹種比率を見ても、欧州産が6割水準で大勢を占める。国産材集成材の潜在的な需要の深さが期待されながらも、需要・生産の双方から製品・原料の安定的な供給を疑問視する声が強いことも事実だろう。
一方で、集成材生産の裾野を広げる機会ともなっている。集成材メーカーによる国産材集成材生産の取り組みばかりでなく、製材メーカーが集成材事業に新規参入する機会が生まれた。国産材製材を軸に事業を展開していたトーセンや協和木材は、今や国産材集成材供給の一翼を担っている。サイプレス・スナダヤは米ヒバ構造用製材や集成材事業から、桧小断面の生産という新境地を開拓した。
相反して、銘建工業のくまもと製材、中国木材など、外材製材や集成材メーカーが国産材製材で大型工場を立ち上げ、国産材製材でも大手の一角に入ってきた。
特集では、国産材集成材に取り組むメーカーとして、ウッティかわい、宮盛、三陸木材高次加工協同組合、協和木材、トーセン、院庄林業、櫻井、銘建工業、中国木材、サイプレス・スナダヤ、ウッドエナジー協同組合などの取り組みを取材した。
記事ランキング
- 鹿島建設 9階建て木造ビルを建設
- ポラテックの5月度加工実績 3部材そろって前年比増
- 4月の新設住宅着工 総着工戸数、再び減少
- 吉田産業 断熱材プレカットが伸長
- 日本パレット協会 24年度の木製パレット生産量3000万枚割れ
- コシイプレザービング 素材生産から現場配送まで一元管理
- 東京港木材製品需給 ロシア材、欧州材の入庫増
- テーオーフォレスト サイディングプレカット部門で現場張りに対応
- 建材商社4社、25年3月期業績 売上高伸び悩むも利益は改善
- シンエイテクノウッド 杉・桧LVLパネル販売開始

日刊木材新聞社 木造社屋紹介動画