決算特集②建材、住設メーカ―
住宅、非住宅需要を取り込む
コスト削減効果で収益押上げ
木質・非木質建材メーカーの13年3月期決算は、増収増益を計上した会社が目立った。前期に見られた東日本大震災の仮設住宅建設に伴った需要は払拭され、12年度の新設住宅着工戸数が89万3,002戸(前年度比6.2%増)と3年連続で前年度を上回り、好調な建材需要を維持することができた。
しかし、為替が年初から急速に円安に反転したことで、原材料の輸入比率が高いメーカーほどコスト高が深刻化するなど、採算面が悪化した。そのため、今期に入り製品価格に転嫁する動きが高まっている。
建材・住設機器メーカー22社(6月17日付№1924、16~17㌻参照)の決算は18社が増収となり、そのうち17社の経常利益が増益になった。
なかでもLIXILグループは、売上高1兆4,363億9,500万円(前期比11.2%増)、経常利益530億6,300万円(同229.1%増)と増収増益になった。同グループは、中間期決算でショールーム統合や早期退職関連の費用で特別損失が膨らみ赤字となったが、通期ではイタリアのカーテンウォール企業ペルマスティリーザの新規連結効果で売上高が前期より2桁増となった。国内の既存事業では、主軸のサッシ、エクステリア、キッチンの売り上げが軒並み前期を下回ったため、売上高は前期より26億円減少するなど厳しい結果となった。
一方、パナソニック エコソリューションズ社は、売上高が1兆5,479億円(同1.4%増)で、営業利益は591億円(同0.3%増)を計上した。このうち、住設機器や内・外装建材などのハウジングシステム事業の売上高は、3,644億円(同34.9%増)となった。ケイミューが連結対象になったほか、製品販売でも建具やトイレのアラウーノシリーズが好調だったことが売り上げの底上げにつながった。
水周り住設機器メーカーのなかでは、クリナップが大幅に売上高を伸ばした。同社の売上高は、1,135億3,300万円(同9.8%増)と5年ぶりの1,100億円台になった。中・高価格帯のバスルームやステンレスキャビネットのシステムキッチンなどの販売が好調だったことを反映した。また、商品単価の上昇やモデルチェンジによる原価率の低減に努めたことで、営業利益は47億5,500万円(同100.6%増)と大幅に伸びた。建材メーカ―の決算をまとめた。
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